NXP Semiconductorsは、小型ポータブル機器向けに、チップサイズ0.65mm×0.44mm×0.2mmを実現したGPS低雑音アンプ(LNA)「BGU8006」を発表した。
同製品と、外付け部品(マッチング用インダクタ1個とデカップリング用コンデンサ1個)2個のみで、GPS信号の受信が可能で従来最小ソリューション比で、プリント基板上の実装面積を38%削減することが可能だ。また、0.60dBの低ノイズ性能を備えており、携帯電話やWLANなどの強い送信信号を動的に抑圧、微弱なGPS信号に対して最適な受信性能を提供することが可能。
さらに、同社のSiGe:C BiCMOSプロセス技術「QuBIC4Xi」が実現したアダプティブバイアス技術を採用することで、妨害波を即時に検出し、一時的に電流を上げることで、携帯電話やWLAN、Bluetoothなどの強い送信信号を動的に抑圧することが可能。これにより通常のGPS LNAでは、強い送信信号による圧縮状態が引き起こす、ゲインの低下による相互変調や高調波歪の発生を抑えることが可能となる。具体的には、-40~-20dBmの妨害波が存在する環境で、線形性(IP3)は10dB改善、最大-15dBmの妨害波に対しても有効なGPS出力を実現できるという。
なお、同製品のほか、1.45mm×1.0mm×0.5mm 6ピン リードレスSOT886パッケージを採用した「BGU8007」も用意しているほか、緊急事故対応のためのeコールや料金収受システムなどの車載テレマティクス用アプリケーション向けに、車載規格AEC-Q100認定済みの「BGU7004」および「BGU7008」も提供しているという。すでにサンプル提供は開始されており、2012年第3四半期より認定用サンプルの提供が開始され、同第4四半期中に量産も開始する予定。