独ハンブルグで開催されている「International Supercomputing Conference(2012 国際スーパーコンピュータ会議)」において6月18日(独時間)、スーパーコンピュータ(スパコン)処理能力ランキング「TOP500」の2012年6月版が発表された。
1位は米ローレンスリバモア国立研究所に設置されたIBMの「BlueGene/Q(BG/Q)」を157万2864コア用いた「Sequoia」がLINPACKベンチマーク16.324PFlopsで輝いた。米国勢のスパコンが1位に返り咲くのは2010年6月版のOak Ridge National Laboratory(ORNL:米オークリッジ国立研究所)の「Jaguar」(Cray:1.759PFlops)が獲得して以来となる。
2位は、2011年6月版ならびに同11月版のTop500で1位を獲得した理化学研究所(理研)の「京」が10.510PFlopsでランクイン。3位には米Argonne National Laboratory(アルゴンヌ国立研究所)の「Mira」が8.16PFlopsでランクイン。MiraもSequoia同様にIBMのBG/Qを採用しているが、78万6432コアとなっている。
4位には独Leibniz Rechenzentrumに「SuperMUC」が2.896PFlops、5位には中国National Supercomputing Center in Tianjin(NSCC)の「Tianhe-1A(天河1A)」が2.566PFlopsでそれぞれランクインした。
以降、6位が「Jaguar」(米国:Opteron 1.941PFlops)、7位が「Fermi」(伊:BG/Q 1.725PFlops)、8位が「JuQUEEN」(独:BG/Q 1.380PFlops)、9位が「Curie thin nodes」(仏:Xeon 1.359PFlops)、10位が「Nebulae」(中国:Xeon 1.271PFlops)と続いており、欧州勢が10位までに4つランクインするなど躍進している。
CPU別にみると、Intelが前回の384システムから372システム(74.4%)とシェアを低下させた一方、BG/Qの導入が進むIBMが前回の49システムから58システム(11.6%)へとシェアを拡大させた。また、58システムが何らかのアクセラレータを搭載したシステムとなっており(前回は39システム)、そのうち53システムがNVIDIAのGPUコンピューティングを、2システムがCellならびにATI Radeonをそれぞれ採用したシステムとなったほか、150位にIntelのMICアーキテクチャを採用したシステムがランクインした。
一方、国別でみると、米国が253、欧州が107、中国が68、日本が34、その他のアジア・太平洋が121となっている。なお、日本勢だけを見た場合、京のほか、12位に国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)の「Helios」(1.237PFlops)、14位に東京工業大学(東工大)の「TSUBAME 2.0」(1.192PFlops)、18位に東京大学情報基盤センターの「Oakleaf-FX」(1.043PFlos)がそれぞれ1PFlops超えのシステムとしてランクインしている。