ノークリサーチはこのほど、2011年度の国内PCサーバの出荷状況の調査結果、2012年度の予測を発表した。これによると、同年度のPCサーバ市場は出荷台数53万7,843台と前年比5.3%増となり、上期は前年比6.7%の伸び、下期のサーバ需要は3.8%の伸びを示したという。
形状別では、全体の過半数を占めるラック型が1.6%の伸びで27万7,130台、構成比51.5%となった。タワー型は19万325台で、前年比111.2%と2ケタの伸びとなった。ブレード型は7万388台で全体の構成比は13.1%と3年連続で変わらないが、前年比105.3%と出荷を増やした。
市場全体の出荷金額では、仮想化やサーバ統合の拡大で、CPUやメモリといったオプション需要が増えたのが要因で、金額ベースは2,923億円で前年対比105.6%となっている。
メーカーシェアでは、NECが24.9%で昨年に引き続き第1位だった。その要因として、タワー型のSMB向けのエントリーサーバ、ITサービス向けのラック型、キャリア向け大型案件のブレード型の好調さが挙げられている。第2位以降は、上から日本ヒューレット・パッカード(22.9%)、富士通(20.8%)、デル(11.8%)、日本アイ・ビー・エム(9.2%)、日立製作所(5.4%)と続いている。
2012年度は景気低迷が11年度に引き続いて継続しているため、外的要因によるサーバ市場の鈍化が懸念されるが、国内市場は、ネット系サービス業やスマート端末の伸長、企業サーバの保管・管理・運用サービスとしてのデータセンターなどのインフラ側の需要、企業内需要ではBCPやセキュリティ面のITシステムの守りの強化などの要因で引き続き堅調に推移する見通しだという。これより、2012年度のPCサーバ出荷台数は約55万台、2.6%アップの微増が予想されている。