トレンドマイクロは、1社あたり年間定額の使用料金で、種類に関わらず、SSLサーバ証明書を無制限で利用できるサービス「Trend Micro SSL」を6月29日より国内で提供開始すると発表した。このサービスは、同社のData Center Platformの一部として提供される。
当面は、同社営業が担当する既存の大手企業ユーザー向けに招待制で提供し、2013年1月からは国内の一般企業にも提供する。また、2012年後半に北米、2013年にヨーロッパでの提供を開始する。提供価格は、1社あたり年間40万円程度を想定している。
サービス提供にあたっては、同社自身が社内に独立した認証局を設置する。認証プロセスはWebTrustより認証されている。
提供するSSLサーバ証明書の種類は、企業の存在情報、ドメイン名の所有情報、証明書発行のための権限を確認する組織認証(OV:Organization Validation) 証明書と、より信頼性の高い拡張認証(EV:Extended Validation)証明書。OVからEVへのアップグレードも無料で、1社あたり年間定額の使用料金で、SSLサーバ証明書の種類に関わらず、証明書数無制限で利用できる。
トレンドマイクロ 取締役副社長 大三川彰彦氏は、SSLサーバ証明書事業への参入理由について、「弊社はクラウド世界をセーフティに利用できるよう開発力を投入してきており、クラウドセキュリティではNO.1のシェアを持っている。クラウドを利活用するためには、SSLは重要なポイントだ」と説明。
また、既存のユーザー企業から、SSLサーバ証明書機能を、トレンドマイクロ自身で提供してほしいとの要望もあったという。
そして、エグゼクティブバイスプレジデント ワイエル・モハメド氏は、「クラウドの利用が拡大し、SSLサーバ証明書の利用も拡大している。エンドユーザーがビジネスを行うためには、情報の安全が必要だ。これを技術的に可能するためには認証局がいる。認証局は過去10年で進展はあったが、改善が必要な部分があり、お客様の持っているシステムと統合していくことが重要だ」とし、同社自身が認証局を提供する意義を説明した。
また、エンタープライズマーケティング部 部長 新井一人氏は、現在のSSLサーバ証明書の問題点として、仮想化やクラウド、ビジネスで応じてサーバ数が増減する現在の環境では、サーバ数にあわせた証明書の購入は現時的でない点を挙げ、サーバ数に関係なく一律課金の同社のサービス優位性を強調した。