東芝はこのほど、ネットパワー、ショー・グループ(以下、ショー)、エクセロンと共同で、発電とCO2の分離・回収を同時に実現できる新火力発電システムを共同開発することで合意したと発表した。

同システムは、超臨界圧のCO2を用いた酸素燃焼の循環システムで構成され、CO2を有効活用でき、NOxを排出しないゼロエミッションの火力発電システム。

東芝が開発する「火力発電システム」の構成図

同システムを用いることで、CO2を分離・回収する設備(CCS)を設置することなく、高純度の高圧CO2を回収することができる。高圧のCO2は貯留することも可能なほか、米国などの石油採掘現場で用いられている「EOR:Enhanced oil Recovery」に適用でき、CO2を有効活用できる。

今回の共同開発において、東芝は同システムのキーコンポーネントである高温・高圧のタービン・燃焼器の開発を担当する。同社が研究・開発を進めてきた高温タービン用材料技術を活用するほか、保有する燃焼技術・冷却技術を応用して、革新的なタービン・燃焼器の開発を進めていく。

ネットパワー、およびショーは発電プラントの全体エンジニアリングを担当し、エクセロンはパイロットプラントの用地提供および許認可の取得を担当する。

今後、プラント設計などを行い、25MW相当のパイロットプラントを米国内にあるエクセロンの発電所敷地に2014年に建設し、実証試験を経た上で2017年に250MW級プラントの商用化を目指す。