Freescale Semiconductorは、同社のマイクロコントローラ「Kinetis」のポートフォリオを拡充し、スマートエナジーやスマートメータ、ビルディング・コントロールといったアプリケーション向けにARM Cortex-M4プロセッサ・ベースのワイヤレス・ソリューション「Kinetis KW20ファミリ」を発表した。

同ファミリは、将来のZigBeeスマートエナジー(ZSE)2.0やインターネット・プロトコル仕様で求められる処理性能とメモリの要件を満たしており、Cortex-M4プロセッサのほか、「MC13242 RF」トランシーバおよび堅牢な機能セットを統合することで、セキュアかつ高信頼性を備えたZigBeeプラットフォームを実現する。これにより設計者は、KW20を選択するか、RFトランシーバに対応した従来Kinetisと組み合わせて使用するかを選択することが可能となり、さまざまなアプリケーションのニーズに対応するデバイスを柔軟に開発することができるようになると同社では説明している。

KW20に統合されているMC13242 RFトランシーバは、消費電力の削減とリンク・バジェットの増加により、高いRF性能を実現することが可能。アンテナ・ダイバーシティに対応しており、特にマルチパス干渉が発生する条件においてRFの信頼性を高めることができるほか、送受信の消費電力を抑える設計がされており、低消費電力の実行モードにより、エネルギー使用量を最適化することが可能だ。

また、デュアルPANをサポートする特長を備えており、単一のデバイスで2つのZigBeeネットワークのワイヤレス通信を行うことが可能。さらに、通常はハイエンド・プロセッサに搭載される先進的なセキュリティ機能も統合されており、先進的な暗号方式、鍵生成、セキュア・メモリ、改ざん検知などのニーズに対応。最大512KBのセキュアFlashメモリにより、不正なアクセスや修正からコードとデータが保護されるほか、改ざん検知機能によりイベントが検知されると、64KBのセキュアRAMが非同期的に消去され、割込みが生成されるため、アプリケーションのファームウェアがシステム・リセットなどの追加処理を行うことができるようになっている。

なお、これらのマイコンファミリおよびRFトランシーバ、関連ソフトウェア、ZigBeeプロトコルスタックなどは2012年第3四半期に特定顧客向けにサルファサンプルが開始される予定となっている。