パナソニック デバイス社は6月14日、高感度化と画質の均一性を両立できる新MOSイメージセンサ「SmartFSI」技術として、従来のデジタルカメラ向け14Mピクセル製品より、さらに高感度化と低ノイズ化を図った1/2.33型の16MピクセルSmartFSIイメージセンサ「MN34120シリーズ」を開発したことを発表した。

同シリーズは、画素面積が従来品の86%に縮小したものの、独自の集光構造における、入射光を反射して画素の中に閉じ込める光隔壁形成技術と、閉じ込めた光をフォトダイオードに導く光導波路最適設計技術により、感度は同3050el/lx/sec/μm2よりも高い3200el/lx/sec/μm2を実現。同時に小面積化による色バラつきの抑制も実現しており、モジュールの薄型化と高画質化の両立を可能とした。

また、カメラの薄型化にともない発生するセンサ周辺の画素での混色現象や集光率の低下も防ぐことができるため、色ムラや輝度ムラのない高画質な薄型カメラを実現することが可能だという。

さらに、夜景や暗い室内の撮影で行われる感度上昇で生じるイメージセンサのノイズを、拡散プロセスの見直しによる画素アンプの低ノイズ化と、ノイズ除去回路の設計に新ノイズ除去関数を導入したことで従来品比約70%に低減することに成功した。

加えて、ダイナミックレンジを犠牲にせず、画素信号を加算する独自の駆動方式を開発したほか、低電圧化とダイナミックレンジを両立させる新回路構成を搭載したアナログ/デジタル変換回路を開発したことにより、フルHD動画撮影時の消費電力を従来品比で約30%削減することに成功している。

なお、同シリーズは、2012年6月からの量産開始を予定している。

1/2.33型のデジカメ向け16MピクセルSmartFSIイメージセンサ