デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)は6月13日、デジタルマーケティング企業Innity Corporation Berhad(Innity)との資本業務提携に関して、DACの資本参加や東南アジアにおけるRTB市場への共同参入、合弁会社の設立について基本合意に至ったことを発表した。

Innityは、マレーシア証券取引所に上場し、東南アジア地域6ヵ国(マレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナム、タイ、フィリピン)および中国(香港・上海)に拠点を持つ総合インターネット広告企業グループ。リッチコンテンツを駆使した広告フォーマットを多数開発するなど技術開発力があり、各国の現地広告会社への幅広い顧客基盤なども有しているという。

DACは、2005年には北京迪愛慈広告有限公司(北京DAC)、2012年には愛思奇奥網絡信息技術有限公司(北京i-studio)を設立し、中国市場での事業展開を進めている。同社は中国に続く海外展開先として東南アジア市場への参入を目指しており、事業基盤を早期に確立するためにパートナー企業を探していた。

一方Innityも、東南アジア市場における競争が激化するなかで有力なパートナーを必要としており、今回の資本業務提携に至った。

資本業務提携の主な内容は「DACのInnityへの資本参加」「東南アジアにおけるRTB市場への共同参入」「合弁会社の設立」の3つで、DACはInnityの株式の13.63%を取得する。また、両社は共同で東南アジア地域におけるRTB市場に参入することに合意し、DACの持つ広告取引プラットフォームと、Innityの持つ顧客 / 媒体社基盤を活用して主導的なポジションを確保すべく事業展開を行うという。

DACによる資本参加の概要

RTB市場への共同参入概要

合弁会社の概要(6月13日時点の予定)

両社が設立する合弁会社は、東南アジア地域において日本企業を中心に統合的なデジタルマーケティングソリューションを提供するためのもので、DACがこれまで日本で対応してきた海外からの日本市場向け広告出稿や、日本国内から海外媒体への広告出稿の取り扱いなども行うという。

また両社は今後、研修や派遣などによる相互の人材交流の促進や、アドテクノロジー商品の共同開発など、さまざまな分野での協働を行うとしている。