凸版印刷とトッパン NEC サーキット ソリューションズ(TNCSi)は6月12日、偽造防止効果の高いセキュアプリント配線板を開発したと発表した。

近年、プリント配線板の偽造品が増えている。このため、粗悪なプリント配線板によって電子機器の不具合が発生した際、プリント配線板が自社製品なのか判断ができないため、損害が大きく、適切な品質保証もできないといった問題が生じていた。しかし、プリント配線板の表面に使用されるソルダーレジスト(絶縁体)上はラベルが剥がれやすく、プリント配線板本体に直接シールの貼付ができないことから、プリント配線板の梱包材にホログラムなどを使用したセキュリティラベルやICタグを貼付し管理していた。こうした間接的な偽造防止策では、プリント配線板そのものを管理できないことから、プリント配線板に直接施せる偽造防止対策が求められいた。

同製品は、プリント配線板の本体に、目視ではわからない不可視インキを用い、印刷とレーザー刻印を組み合わせて個別IDを刻印する。この個別IDは、専用の検証機器によって個体識別と真贋判定を実現するもので、偽造を困難にする。

また、使用するインキは、原材料から厳重に管理されるため非常にセキュリティ性が高く、偽造防止効果が高いとコメントしている。

プリント配線板の本体に偽造防止加工を施すにあたり、凸版印刷とTNCSiが培ってきたノウハウを活かし、プリント配線板の性能に悪影響を与えない方法を開発、絶縁特性や耐熱特性といったプリント配線板に求められる性能を維持した。これを導入することにより、製品の信頼性の維持やブランドの保全・向上に繋がる他、専用の検証機器による個体識別と真贋判定により、即座に自社製品か判定でき、適切な品質保証もできるようになる。

凸版とTNCSiでは、市場調査をもとにした製品改良を行い、早期の量産開始を目指すとしている。

セキュアプリント配線板のサンプル

刻印したID