Maxim Integrated Productsは6月11日(米国時間)、マルチナイキストRFデジタル・アナログ・コンバータ(RF DAC)「MAX5879」を発表した。

同製品のアーキテクチャはFPGAベースのダイレクトデジタル合成(DDS)との組合せて動作し、現行のアーキテクチャで使用されるアナログ直交変調器とアジャイル局部発振器(LO)の機能をデジタルドメインに移動することが可能だ。これにより、通常はアナログアップコンバート時に発生する同相および直交誤差、LOフィードスルーが排除されるため、RFの設計を簡素化し、基地局トランスミッタの信頼性を向上させることが可能となり、マルチキャリア/マルチバンド/マルチ規格の基地局用の共通ハードウェアプラットフォームを実現すると同社では説明している。

周波数応答モードの選択が可能で、700MHz~2.8GHzの複数のナイキスト領域における一般的な3G/4G携帯電話帯域の直接RF合成をサポート。1デバイスで、動的性能を妥協することなく、マルチキャリアGSM、WCDMA、およびLTEなどの複数の規格に対応することが可能だという。

入力データマルチプレクサは4対1と2対1の選択が可能で、ハードウェア設計者は入力ワードレートを低減させることができるため、低コストのFPGAを使用することが可能だ。また、モバイルバックホール機器で使用されるマイクロ波無線リンク、ケーブルヘッドエンド機器で使用されるCMTS/エッジQAMボックス、およびその他の広帯域通信システムにも適用可能だという。

なお、同製品は256ボール(17mm×17mm)CSBGAパッケージにて、すでに量産を開始しているという。

マルチナイキストRFデジタル・アナログ・コンバータ(RF DAC)「MAX5879」