Texas Instruments(TI)は6月11日、セキュリティなどに応用される指紋認識および顔検出など各種リアルタイム解析分野向けに、生体情報の検出・解析用DSP開発キット「TMS320C6748」を発表した。
同製品は、各種の生体認証の分野向けに、指紋認識および顔検出をはじめとした数種類のデモンストレーションを含んでおり、DSP「C674x」でのリアルタイム分析アプリケーションの開発とその実行を容易にする。また、最新のSYS/BIOSリアルタイム・カーネルの他、コンパクトでオペレーティング・システムに依存しないソフトウェア・ライブラリ群およびユーティリティ群を提供するStarterWareソフトウェア・パッケージ「C6748」、Code Generation Tools(GCC)およびDSP「C674x」のリアルタイム処理能力を表示するDSP core performance benchmarksなどが含まれている。
また、ボードの回路図および設計ファイル群を無償でダウンロードおよび複製できる他、コネクティビティおよびストレージのための様々な標準インタフェースによって、オーディオ、ビデオおよびその他の信号を容易にボード上へ引き込むことができる。さらに、拡張ヘッダを備えていることから、Leopard Imagingのcamera boardおよびLCDはじめとしたディスプレイおよびユーザーインタフェース技術などを追加し、機能を拡張できる。
同製品は「C6748/C6746/C6742」といった同社のDSP製品においてソフトウェアおよびピン配置の互換性を持つ。DSP「TMS320C6000」 との間でもソフトウェアの互換性がある。さらに、ソフトウェアおよびピン接続の互換性を備えたプロセッサ「OMAP-L138/OMAP-L132 DSP+ARM9」へ移行し、Linuxをはじめとしたハイ・レベル・オペレーティング・システム、産業用制御、医療診断および通信をはじめとした各分野向けの制御およびネットワーキングなどの機能を追加できる。
価格は195ドル。TI.comからの一括ダウンロードまたは、別途StarterWareソフトウェア・パッケージのダウンロードによって入手できる。DSP「C674x」ファミリは、1万個受注時で5ドル未満。また、開発キットの「OMAP-L138/DSP+ARM9」は195ドル。同キットでは、新しいLinux SDKでも利用可能。無償で提供されている。両キットには統合開発環境(IDE)「Code Composer Studio IDE v5.1 が付属されており、495ドルでライセンス使用も可能。この他、開発向けの全機能を搭載した評価モジュール「OMAP-L138/C6748」は1050ドルとなっている。