Analog Devices(ADI)は6月6日、2個の高性能マルチチャネル・シグマ・デルタA/Dコンバータ(ADC)と32ビットCPUコア「ARM Cortex M3」をオンチップに集積したマイコン「ADuCM360」を発表した。

ADCとマイコンの他、有線(SPI/UART/I2C)通信ペリフェラルをサポートする柔軟性の高い11チャンネルDMAコントローラ、128KBの不揮発性フラッシュ/EEと8KBのSRAMをオンチップに集積している。

アナログ・サブシステムは、最大11の入力チャンネルに対応した入力マルチプレクサと、マルチプレクサに接続された2個のADCで構成され、各ADCはそれぞれPGA(プログラマブル・ゲイン・アンプ)を内蔵する。2個のADCは、完全差動またはシングルエンド・モードでの動作が可能となっており、センサの温度補償のために2つ目のADCが必要なアプリケーションや、デュアル・センサ・アプリケーションに最適となっている。

また、10μA~1mAまでの最大12個のプログラマブル・センサ励起電流をブリッジ・センサと抵抗温度センサと組み合わせて使用可能。さらに、オンチップD/Aコンバータ(DAC)は4~20mAループ制御に用いることができる。拡張工業用温度範囲は–40~+125℃。1.8~3.3Vの電源で動作する。

オンチップ・ファクトリ・ファームウェアは、シリアル・ワイヤ・インタフェース(2ピンJTAGシステム)とUARTを介して、インサーキット・シリアル・ダウンロードをサポートする。非侵入型エミュレーションも、このシリアル・ワイヤ・インタフェースを介してサポートされる。これらは同ファミリをサポートする開発キットに同梱されている。

なお、パッケージは7mm角の48ピンLFCSP。価格は1000個受注時で8.26ドル。すでに量産出荷を開始している。開発キットの「EVAL-ADuCM360」も出荷しており、価格は119ドル。8月には内蔵ADCが1個で「ADuCM360」の機能をすべて備えた「ADuCM361」も発売する予定。

シグマ・デルタADC搭載のマイコン「ADuCM360」