大日本スクリーン製造(DNS)は6月7日、スマートフォンやタブレットPCのタッチパネルなどに使用されている透明電極のパターンを光学的に可視化し、回路の線幅や膜厚を測定・検査する技術を開発したことを発表した。

タッチパネルには、指などで触れたときの力や静電容量の変化を感知する、透明な電極回路が画面全体に均一に配列されており、より鮮明で高画質なパネル画面を実現するため、電極回路の透明度を高める技術の開発が進められている。しかし、回路の透明度が増すにつれて、パターン形状や膜厚の測定・検査が困難となり、導通検査だけで良品を選別しているのが現状であり、今後、タッチパネルの品質や歩留まりの向上実現のためには、回路形成プロセスの改善や測定・検査結果に基づくフィードバックへの取り組みが不可欠となり、透明な回路パターンを可視化し、線幅や膜厚を測定できる検査装置の実現が求められていた。

今回同社では保有する光学技術および画像処理技術、そしてプリント基板検査装置で培った検査技術などを応用することで、透明パターンを光学的に可視化し、任意の位置の線幅や膜厚を測定・検査する技術を独自に開発した。

同技術は、回路を形成する透明電極膜と支持体となるフィルムにおける光の反射量の差を検出するもので、可視化した画像から線幅や膜厚を測定できるため、抵抗膜方式や静電容量方式など、さまざまなタイプのタッチパネルに対応できるほか、液晶モニタの透明電極の検査にも使用できるという。

また、素材や膜厚の異なる回路パターンに対して最適な測定条件を自動的に設定し、簡易かつ高速に測定・検査を行えるため、生産ラインへの組み込みも可能なほか、検査結果に測定位置情報を数値データとして管理することで、欠陥情報などをフィードバックすることも可能となっている。

なお同社では今後、同技術に関する市場ニーズを計った上で、2013年3月までに測定検査装置としての商品化を目指すとしている。

従来の光学系による検査画像

新たな光学系による検査画像