ぷらっとホームは6月7日、ARMコアを搭載した手のひらサイズのマイクロサーバ「OpenBlocks Aファミリ」を発表した。
同ファミリは、幅広い用途に対応するハイエンドモデル「OpenBlocks AX3」、および、エントリモデルの「OpenBlocks A6」の2モデルが用意されている。
AX3は、CPUにARM Cortex-A9を2つ搭載したMarvell Semiconductor製「ARMADA XP 1.33GHz」を搭載しているほか、1GBのオンボードメインメモリ(DDR3)、2もしくは4個のGbEポート、SATAポートを1つおよびeSATAポート1つ、RS232Cポート2つ、USB2.0ポート2つを備えている。また、4ポートGbEモデルでは、SO-DIMMスロット(最大2GBに対応)とMini PCI Express用拡張スロットを搭載している。
Java SE Embedded 6およびJava SE Embedded 7をサポートしており、WebのフロントエンドサーバやIPS/IDSなどのパケット解析を要するセキュリティ対策、HTTP ProxyやReverse Proxyなどの代理アクセス、ジョブ管理やリソース監視を含むネットワーク監視のほか、IP-PBX、NASヘッド、メール中継などの用途やアプライアンスのベースハードウェアとして活用が可能だという(対応OSはDebian GNU/Linux 6.0)。
一方のA6は、CPUにARM 9を搭載したMarvellの1コア製品「ARMADA 310 600MHz」を採用。オンボードメモリは512MBで、そのほかのインタフェースとしてはGbEポート×1、SATAポート×1、GPIO(8bit)、RS232Cポート×2、USB ポート×1を備えている。
こちらもAX3同様、Java SE Embedded 6およびJava SE Embedded 7をサポートしており、枯れたアーキテクチャならではの安定性を重視したセンサデバイスや計測器の観測・制御、ネットワークインフラ系サービスの導入・運用、あるいはデータロギング、M2M用途などでの適用を想定しているという(対応OSはDebian GNU/Linux 6.0)。
また同社は同ファミリの発表に併せて、手間なし導入・手放し運用の楽ちんアプライアンス「EasyBlocksシリーズ」として、ARMコアを採用した3製品(「EasyBlocks Enterprise」、「EasyBlocks Web キャッシング向けProxyモデル」、「EasyBlocks Web フィルタリング向けProxyモデル powered by i-FILTER」)も発表している。
EasyBlocksは、常時稼働するネットワーク管理サービスを専用アプリケーションで手間なく構築、かつ高信頼性から存在を意識せずに運用を続けられるアプライアンスで、今回の3製品は新たに設計された専用ハードウェアを採用することで、従来モデルと比べてより拡大された規模のネットワーク環境での活用が可能となったという。
EasyBlocks Enterpriseは、RADIUS/DHCP/DNS/NTP/Syslog/Proxy/監視管理のネットワーク管理サービスの簡単に立ち上げることが可能なアプライアンス。従来機のEasyBlocks同様の冗長化機能に加え、インターネットイニシアティブ(IIJ)のSACM(Service Adaptor Control Manager)を基盤としたサービス一元管理機能などを備えたPRCM(リモートコントロールマネージャ)も新たに有償オプションながら実装することが可能となった。
EasyBlocks Webキャッシング向けProxyモデルは、Webアクセスに対し本体メモリ上のキャッシュ領域から即座にLANを通じて応答するWebコンテンツキャッシングを実現するProxyサービス向けアプライアンス。
従来機種であるEasyBlocksで選択できたProxy機能へのユーザーニーズに応える形で、WebキャッシングProxy 機能に特化させたモデルで、指先サイズのUSBメモリに格納した設定情報を挿し替えるだけで別のEasyBlocks Webキャッシング向けProxyモデルに設定を移行することが可能なほか、万一のプラグ抜けが起きても挿し直し起動するだけでサービスを停止前と同じく稼働できるといった機能を搭載している。
EasyBlocks Webフィルタリング向けProxyモデルpowered by i-FILTERは、小規模・中規模なネットワークにおいて、手間をかけずに必要十分なWebフィルタリングを導入したい管理者向けアプライアンス。
IAサーバを用いたサービス運用は手間がかかり、しかも機能がリッチすぎて余剰が発生する場合などにおいて、同製品を導入することで導入時コストの削減、運用やメンテナンスにかかる手間の抑制、スリムなシステム構成を実現することが可能になるとうい。また、フィルタリングのエンジンとしてデジタルアーツのi-FILTERを採用しているため、Webフィルタリングサービスを手間なく管理運用することが可能となっている。
加えて、OpenBlocks Aファミリの発売に際し同社では、導入やオープンソースソフトの取り扱いといった初歩的な悩みからVAR/SIer向けの対応まで、さまざまな相談も柔軟に支援する「使える」サポートサービスを提供するとしている。
ユーザー向けの「基本サービス」では、ソフトウェアやOS、また導入にまつわる悩みをサポートする専用サポートデスク、および先出センドバック修理などを利用可能。一方のVAR/SIer向け「パートナーサポートサービス」では、保証対象範囲の拡張、仕様変更・終息・ファーム更新情報の案内などのサービスを活用できるという。また、これらの基本サービスならびにパートナーサポートサービスのいずれにおいても、オンサイトやプリインストール、設定・設置などニーズに合わせた対応を行う拡張サービスも、別途申込みにより利用することが可能だという。
なお、価格は参考価格ながら、AX3が5万9800円から、A6が3万6800円からとなっている(アプライアンス製品に関してはオープン価格)。