独立行政法人 情報処理推進機構 (IPA)は6月4日、文書作成やゲームを通して多様な漢字に親しめるWebサイト「漢字に触れてみよう -文字情報基盤プロモーションサイト-」を公開した。実験サイトとしての運用となるため、2013年1月31日までの限定公開。

同機構は「文字情報基盤構築に関する研究開発事業」において、行政機関の情報システムで人名などの漢字を効率的に扱う基盤のあり方について検討するとともに、約6万文字の漢字を収録する「IPAmj明朝フォント」を作成している。また、2011年度以降は、内閣官房情報通信技術担当室、経済産業省とともに文字情報基盤推進委員会を設置し、文字情報基盤の実運用に向けた環境整備を進めており、今回のWebサイト公開もこの取り組みの一環となる。

「漢字に触れてみよう」のWebサイトイメージ

現在、一般的なPCなどは約1万文字の漢字を扱うことを前提に設計されており、IPAmj明朝フォントの収録文字すべてを扱うためには、多くの異体字の中から必要な文字を選ぶ入力補助技術や、幅広い文字を表示・印刷する出力技術などが必要になる。同サイトにはこれらの機能が実装されており、ユーザーは特別なソフトをインストールすることなく、6万文字の漢字を用いた表現を体験することができる。

同サイトは文字情報基盤の周知のほか、伝送方式やコピー&ペースト機能などに関する技術的検証の役割も持っており、これらの取り組みで得られた知見は、今後の技術開発のために公開するという。