Freescale Semiconductorは5月28日、64ビットマルチコアプロセッサ「QorIQ P5」ファミリのクアッドコア「P5040」、デュアルコア「P5021」の2品種を発表した。

同製品群は、各コア2.4GHzのシングルスレッド性能を有しており、既存の2GHzコアをベースとする「QorIQ P5020/P5010」デバイスを補完するもの。各種アクセラレータ、高速インタフェース、セキュリティ機能を最適な形で統合しており、消費電力制約の厳しいコントロール・プレーン・アプリケーション向けとなっている。用途としては、産業、ストレージ、軍事/航空宇宙、ならびにコア・ルータやデータ・センターといったネットワーク・アプリケーションなど、各種アプリケーションなどに幅広く対応する。また、アプリケーション・コードのセキュア・ブートや改ざん検知回路、セキュア・デバッグなどのセキュリティ機能と、暗号プロトコルのハードウェア・アクセラレータを備えている。同社の組み込みアーキテクチャにより、クローニングや不正なコア実行を防ぎ、高度にセキュアなシステムを構築できるとしている。

また、特定用途向けのアクセラレータと先進的なI/Oを単一の組み込みデバイス上で統合したデバイスにおいて、システム開発サイクルと熱対策コストを削減できる。CoreNetオンチップ・ファブリックは、各種アクセラレータとコアを同時に実行しつつバス競合を抑え、処理効率を最適化している他、RAID 5/6エンジンにより、ストレージ・アプリケーションのパリティ演算がプロセッサのコアからオフロードされる。

インタフェースは、PCIe/SGMII/XAUI/SATA/Aurora/複数の1GbE/10GbEなどに対応する。さらに、倍精度浮動小数点演算をサポートしている。

なお、「QorIQ P5」ファミリは、すべてピン互換性とソフトウェア互換性を備えている。また、ハイブリッド32ビット・モードのサポートにより、従来の32ビット・ソフトウェアとの互換性も維持し、64ビット処理への移行もできる。「P5040/P5021」は6月よりサンプル出荷を開始する予定。「P5040」は開発ボードもあわせて提供を開始する。量産開始は2013年第1四半期を予定している。