STMicroelectronicsとHigh-Definition Personal-Audio(HD-PA)リファレンスを開発したスイスSoundchipは、パーソナル・リスニング分野の新しいコンセプトである「スマート・オーディオ・アクセサリ」に向けてSoundchipが特許を保有する「HD-PA-Ready電子音響プラットフォーム」と、STの「HD-PA-Ready MEMSマイクロフォン」を組み合わせたソリューションを発表した。
イヤーモニタ(In-Ear Monitor:IEM)のように耳に装着するスマート・オーディオ・アクセサリは、リスニング・サウンドをコントロールし、自分流にアレンジする新たな手段を提供することが可能だ。耳に常時装着するように設計されており、再設定を行うことなく、音楽・電話・会話などの使用形態をサポートするほか、周囲の不要なノイズを遮断しながら、音声の忠実な再生が可能となるという。
この自然で快適なリスニング・サウンドの実現は、Soundchipの音響処理に関する特許技術(HD-PA-Ready電子音響プラットフォーム)を用いることで実現されている。具体的には遮蔽を電気音響的に開き、周囲の音を直接耳に伝えることで、装着中でも自然に会話を続けることができるようになるという。
また、スマート・オーディオ・アクセサリでは、ボタンや事前に設定したジェスチャ、音声コマンドで音声、音楽、周囲音といった様々な音源を切り替えることが可能であり、これにはSTのMEMSモーション・センサの利用を含め、各種オプションがサポートされるという。
さらに、スマート・オーディオ・アクセサリを、スマートフォンやタブレットに搭載される補完的なDSPまたはDSP処理可能なマイコン(STM32 F4など)に接続すれば、音源の個別処理・ミキシングにより拡張現実などの機能を提供するカスタム・アプリを通して、リスニング・サウンドのさらなる改善が可能になるという。
なお、両社は、2012年6月より、このスマート・オーディオ・アクセサリのコンセプトをカスタマ向けに説明を行っていく予定としている。