米Googleは5月22日 (現地時間)、Motorola Mobilityの買収完了を発表した。Motorolaのモバイル部門を立て直したSanjay Jha, CEOが退任し、買収に向けた統合計画を管理していたDennis Woodside氏がCEOに就任した。同氏の前職はGoogleのアメリカス地域のプレジデントだった。
Motorolaは00年代半ばに携帯電話市場で不振に陥っていたが、2008年にCEOに就任したJha氏がスマートフォン戦略を推進し、いち早くAndroidを採用。携帯電話からスマートフォンへのシフトの波を上手くつかんで復活を遂げた。2011年1月のMotorolaの分社化によって、携帯電話やセットトップボックスなど消費者向け・家庭向け製品を扱うMotorola Mobilityが誕生。2011年8月にGoogleがMotorola Mobilityを買収することで両者が合意した。
Motorolaは携帯電話市場を切り開いた企業であり、Motorola Mobility買収によってGoogleは携帯電話関連の膨大な数の特許を手中に収める。買収合意発表直後から2社の組み合わせが健全な市場競争を阻害する恐れがあるという懸念が広がっていたが、今年2月に米司法省と欧州委員会が特許の公正なライセンス供与を条件に買収を承認。今月に中国当局の承認も得たことで買収完了にこぎ着けた。Googleは今後もMotorola Mobilityの独立性を維持し、これまで同様にAndroidのライセンスをオープンに提供する。
新CEOのDennis Woodside氏は2003年にGoogleに入社して以来、主に広告に関連した事業を担当してきた。アメリカスのSales & Operations担当プレジデントだった3年間で同氏が率いるチームは売上高を108億ドルから175億ドルに伸ばしたという。消費者向け・家庭向け製品を扱うMotorola Mobilityでは異色のCEOになるが、その事業手腕はシリコンバレーで定評を得ており、The VergeによるとApple CEOのTim Cook氏がセールス部門の責任者として引き抜きを画策したことがあったという。
Woodside氏のほか、以下の5人がMotorola Mobilityのエグゼクティブチームに加わる(括弧内は前職)。
- Regina Dugan氏 (DARPAディレクター)
- Mark Randall氏 (Amazonサプライチェーン担当VP)
- Vanessa Wittman氏 (Marsh & McLennan CFO)
- Scott Sullivan氏 (Visa人事部門責任者)
- Gary Briggs氏 (Googleコンシューママーケティング担当VP)