日本アバイアは18日、東京赤坂の同社本社内にエグゼクティブ・ブリーフィング・センター(EBC)をリニューアルオープンし、プレス向けに披露するとともに、今後国内で提供予定の製品の紹介を行った。

エグゼクティブ・ブリーフィング・センター(EBC)

EBCは、顧客に最新の製品やソリューションを紹介するデモルーム。参加者は、実際に製品を体験しながら、担当者からプレゼンを受けることができる。パートナーが営業ツールとして活用することも可能だという。

日本アバイア 代表取締役社長 ロバート・スチーブンソン氏

日本アバイア 代表取締役社長 ロバート・スチーブンソン氏は、「この会社に入社した2年前から、EBCを導入したいと思っていた。アバイアはべンダーである前に開発者でもあるので、開発元としてのDNAを活かして、パートナーや顧客にこれまで以上にメッセージを発信していきたい」と述べ、今後EBCを活用し、エコシステム(パートナー連携)を強化し、パートナー製品と組み合わせたトータルなソリューションの提供を目指すとした。

続いて、EBCを利用し、今後国内で展開する予定の新製品の紹介が行われた。まず、紹介されたのが「AvayaLive Engage(旧製品名:Avaya web.alive)」という製品。この製品は、アバターを利用し、3Dのバーチャル空間で会議やプレゼンなどができる製品で、Avayaが2009年に買収したNortelが持っていた製品。数年前、日本でブームになったセカンドライフに似ている。自分のアバターが相手に近づくと相手の声が聞こえるようになったり、握手したりできる。また、掲示板の画像をクリックするとPowerPointのスライドがスタートしたり、部屋に鍵をかけるとだれもその部屋に入れなかったりといった仕掛けもある。

「AvayaLive Engage」

提供する機能としては、ビデオウォール、プレゼンテーション/デスクトップ共有、Webブラウズ/ホワイトボード、資料共有ボックスなど。主に社内会議やセミナー、トレーニング、顧客向けの説明会などの利用を想定している。同社では、「テレビ会議は、ほとんど面識のない他の部門や支店の人と話すケースが多く、顔を見せて話すことに抵抗感があるが、アバターであればそれを多少和らげることができる」と語る。クラウド上で提供され、イベントにあわせ、月単位の利用も可能だという。

バーチャル空間の中で、ビデオやプレゼン資料を見せることができる

現在、英語版があり、米国では昨年から提供されているが、国内提供は未定。今後、顧客の反応を見て、必要があれば日本語化などのローカライズを行って提供するという。

続いて紹介されたのは、企業のヘルプデスク向けの「Avaya One Touch Video」という製品。顧客が指定されたURLをクリックすると、企業の担当者とビデオチャットやアプリの共有ができる。Flashを利用したHTMLベースのシステムのため、顧客は特別なインストールを必要としないのが特徴だ。0120のフリーダイヤルの代わりに利用することを想定している。

「Avaya One Touch Video」

Flashベースだが、AIR for iOSでパッケージすることで、iOSもサポートする。一般ユーザー向けというよりは、金融機関が富裕層に金融商品を紹介する際に使うなど、特定のユーザーに向けたサービスの差別化を目的に利用することを想定している。同社では、「すでにユーザーはiPhoneやiPadなどを所有しており、家庭には光ブロードバンド回線が導入されているので、さまざまなデバイスを活用して、音声だけではできなかったことを、ビデオを通して実現できる」としている。

また、SIPベースのコンタクトセンター・ソフト「Avaya Aura Contact Centre」に「Avaya Social Media Manager」を追加することにより、ユーザーのFacebookやTwitterのつぶやきを取り込めるようになる。最近は、ソーシャルメディアの情報をマーケティングに活用するビッグデータソリューションが各社から発表されているが、この製品は、顧客の現在の心理状態(怒っている、喜んでいるなど)を把握した上で対応することにより、ヘルプデスクをより円滑に進めようという製品。言語を特定し、つぶやいた言葉の組み合わせを分析することによって相関性を調べ、判断するという。

Twitter上の顧客の声に対応するオペレータのPC画面

そのほか、現在開発中のものとして、次世代の「Avaya Flare Experience」も紹介された。Avaya Flare Experienceは、通話、スケジュール管理、ビデオカンファレンス、画面共有を実現するソフト。また、IM、電話、ビデオ、Eメール、ソーシャル・メディアのセッションを適宜切り換えて、仕事に合わせてコミュニケーション手段を選択することができる。現在開発中の新しいUIでは、画面の4方向に、People(人、連絡先)、Document(ドキュメント)、Conversation(メール、ボイスメッセージ)、Event(予定表)の4つが配置され、コンタクトしたい人を選ぶと、他の画面がその人の関連するものを自働抽出して、関連性の高い順番に自働表示する。今後はHTMLベースのアプリに移行し、利用できるデバイスの制限を無くしていく予定だという。

開発中の新しい「Avaya Flare Experience」

こちらはiPadで動作している現在の「Avaya Flare Experience」のUI