消費者庁は5月18日、国民生活センターと連携し、5月21日の金環日食向けに販売されている日食観察用グラスに対し、観察に不適切なものはないかの確認を実施し、その結果を公表した。
消費者庁と国民生活センターが確認を行った製品は、16事業者20製品。そのうち、1製品で可視光線の減光が不十分(透過率0.23%:国民生活センター調べ)で日食観察には不適切と考えられることが判明した。
不適切とされたのはデメテル製「日食観賞用グラス」で41個が販売されたが、すでに同社が回収対応を進めているという。
同製品以外でも、以下のポイントを踏まえ、使う前に品質や性能を自分で確認してもらいたいと消費者庁では呼びかけている。
こんな日食観察用グラスは危険
- 室内の蛍光灯を見て、一見して明るく、形がはっきりと見える製品(可視光線を十分に減光している製品の多くは、かすかに蛍光灯を確認できる程度の見え方)
- 可視光線や赤外線の透過率が高い製品(安全性の検討材料となる数値として、可視光線で0.003%以下、赤外線で3%以下というのが目安)
- LEDライトなどの強い光にかざした時に、ひび割れや穴が確認できるもの
また、日食観察用グラスの使用にあたっては、必ず製品の使用説明を読み、禁止事項・注意事項を守るとともに、次のことに注意してもらいたいとも呼びかけている(以下、原文まま)。
- グラスを目にあててから太陽を見ましょう。
- 望遠鏡や双眼鏡などと組み合わせて使うことは絶対にしないでください。
- 長時間太陽を見続けることは避け、ときどき目を休めましょう。
- 目に違和感があったり疲れを感じたりした場合は、すぐに観察を中止しましょう。
なお、今回確認が行われた製品(20銘柄)は、以下のとおり(製品右側が製品を使用した際の蛍光灯の見え方)。