ブリヂストンは5月17日、カザフスタンおよびウズベキスタン原産の多年草である「ロシアタンポポ」の天然ゴムから、従来の天然ゴムと同等の性質を確認したことを発表した。
これは同社が新興国を中心とした世界の自動車台数の増加に伴うタイヤ需要の拡大と、持続可能な社会の構築の両立に向けた取り組みの1つとして行っているタイヤ主原料の中で大きな比率を占めるパラゴムノキ由来の天然ゴムに代わる新たな天然ゴム資源探査の一環として行われたもの。2010年よりBridgestone Americas Tire Operations(BATO)が米国オハイオ州の産学連携コンソーシアム「PENRA」に参加し進めていた研究で、今後もPENRAと協力して研究活動を進めることで、2012年夏にPENRAのパイロット施設にて得られる天然ゴムを独自に試験して確認を進めるとともに、2014年には同プロジェクトが予定する収穫の拡大に基づいたタイヤテストを含めた拡大試験を行う予定としている。
なお、ロシアタンポポはパラゴムノキとまったく異なる気候条件の土地で栽培されるため、同社では実用化されれば、原材料供給源の多様化による、現在の天然ゴム産出地域への一極集中の緩和と、北米での地産地消も可能になると期待を寄せている。