NVIDIAは、石油・ガスの探査や防衛産業向けGPU「Tesla K10」を発表した。

同製品は、「Kepler」アーキテクチャをベースとしており、「Tesla K10」2個を1枚のアクセラレータ・ボードに搭載可能。合計で単精度浮動小数点演算が4.58TFLOPS、メモリ帯域幅が320Gbpsの処理を実現する。

例えば地震データの解析では、反射してきた地震波から地表下についてペタバイト単位の大量のデータが生成され、データセンターで処理する。これにより、取得された2D/3D画像を地球物理学者が解析し、石油やガスの鉱床を発見し安全に採掘できる適地を割り出す。同調査に同製品を用いると、RTM(リバースタイムマイグレーション)、全波形インバージョン、キルヒホッフ時間/深度マイグレーションなど、より詳細な解析が可能なアルゴリズムを地震データ処理ソフトウェアに利用できるようになると同社では説明する。

すでに、Schlumberger、CGGVeritas、TGSなどの地震データ処理大手メーカーや、Chevron、Petrobras、Total、ENI、Repsol、Saudi Aramcoなどの石油ガスメーカーでは、質の高い画像を早く、低コストで生成できるGPUを活用することで、資源探査の成功率を高めているほか、公安や警察の捜査においても、証拠付けとなる動画解析や画像を高品質でより短時間に入手することができるようになり、セキュリティカメラや無人探査機から得られる何千本という数のビデオ・フィード処理にGPUを用いることで処理時間を従来ソリューション比で100倍短縮できるようになるという。

なお、「Tesla K10」は2012年5月より大手OEMメーカーおよびNVIDIAの流通チャネル経由で購入可能となる。

NVIDIAのGPU「Tesla K10」