日本アイ・ビー・エム 専務執行役員 ソフトウェア事業担当 ヴィヴェック・マハジャン氏

日本アイ・ビー・エムは5月17日、「モバイル対応アプリケーションの開発・実行環境」「クラウドや基幹システムとのデータ連携」「アプリケーションやモバイル端末のセキュリティと管理」の3つの機能を統合したソフトウェア製品「IBM Mobile Foundation V5.0」、モバイル対応アプリケーションの開発・実行環境を個別に提供するソフトウェア「IBM Worklight V5.0」を発表した。

専務執行役員 ソフトウェア事業担当 ヴィヴェック・マハジャン氏は、「多くの企業にとってモバイル・テクノロジーの導入が火急の課題と認識されているが、一方で、モバイルの導入には課題がある。主な課題とは、セキュリティ、複数のモバイルプラットフォーム向けの開発コスト、モバイルデバイスとクラウドサービスの連携。われわれは、こうした企業がモバイルを利用するうえで抱えている課題を解決するソリューションを包括的に提供する」と説明した。

「IBM Mobile Foundation V5.0」は、同氏が挙げた企業のモバイル利用における課題を、3つの製品「Worklight V5.0」「Cast Iron」「End Point Manager」によって解決する。Cast Ironはクラウドや基幹システムとの連携、End Point Managerはデバイスの管理とセキュリティを担う。

「IBM Mobile Foundation V5.0」の構成

Worklight V5.0は、IBMが2月に買収したWorklightの製品で、IBMブランドとして発売された初めての製品となる。同製品は、オープンソースの開発統合環境「Eclipse」を基盤とした開発環境を提供し、開発者はJavaScriptやHTML5などのオープンな開発言語によってプログラミングが可能。

また同製品では、異種のモバイルデバイスを対象にベースコードを共有して開発が可能であり、1つのプログラム・コードから、OSや画面のサイズが異なる複数種類のモバイル端末向けのアプリケーションが生成されるため、開発スピードを向上できる。モバイルWebとネイティブのハイブリッド型のアプリケーションもサポートされている。

Mobile Foundation V5.0の代表的なクラウドサービスや基幹アプリケーションのアダプタとテンプレートを利用すれば、これらとモバイルアプリケーションを簡単に連携できる。基幹システムの更新情報を異なるデバイスに統一的にプッシュ可能なAPIも提供されている。

End Point Managerでは、アプリケーションに対し、セキュリティ機能としてオフラインキャッシュの暗号化や改竄防止、また、管理機能としては、自動更新や利用制限を提供する。デバイスに対するセキュリティ管理としては、端末画面ロックやデータ消去機能を提供する。

Mobile Foundation V5.0には、企業で所有するモバイルデバイスや外部の持ち込みデバイスの台数が特定できる利用形態向けの「Enterprise Edition」と不特定多数のモバイルデバイスからモバイルアプリを利用する利用形態向けの「Consumer Edition」があり、後者はEnd Point Managerが利用できない。価格は、Enterprise Editionが1,281万4,500円から、Consumer Editionが2,696万6,000円から。Worklight V5.0の価格は、Enterprise Editionが495万5,900円から、Consumer Editionが2,154万5,000円からとなっている。