ラリタンは5月15日、インテリジェントPDU(Power Distribution Unit:ラック用電源タップ)のエントリーモデルとして、電力計測と環境監視が遠隔から行える次世代PDU「PX2-1000」4機種を販売開始した。
同社はこれまでデータセンターの電源管理に注力してきたが、最近はDCIM(Data Center Infrastructure Management)にシフトしつつある。DCIMを実現する製品の第1弾が今回発表された4機種となる。DCIMについては、ラリタン・アジアパシフィック/日本担当シニア・プロダクト・マーケティング・マネジャーのフランク・ホアン氏が説明した。
同氏は、ラリタンがDCIMという観点から注目している項目として、「Capacity」「Change」「Power」「Environment」「Energy」「Asset」の6つを挙げた。これらのうち特に重要なのが「Power」「Environment」「Energy」だという。
同氏は、「データセンターの電力の半分はIT機器が占めている」として、IT機器のエネルギーの効率化を実現する同社のラック「Smart Rack」を紹介した。Smart Rackは、インテリジェントPDUや環境センサーを搭載しており、エネルギー管理ソフトで管理することが可能だ。
PX2-1000シリーズの特徴は、従来のPDUがコンセント単位での電力情報を管理していたのに対し、PDU単位での電力情報の管理のみをサポートしている点だ。その理由は、顧客企業の規模によっては、コンセント単位での管理は「オーバースペック」の場合もあるからだという。同シリーズはラックに縦付けする形で設置する。
オプションとしては、3種類の環境センサー「Environmental Sensors」、ラック周辺のビデオ監視「Webcam」、ラックマウントされている機器の状態管理「AMS」がある。
同社はこれまで環境センサーとして、温度と湿度を計測するためのものを提供してきたが、今回、風量(エアフロー)センサー、気圧(エアプレッシャー)センサー、接触(コンタクト・クロージャ)センサーをリリースした。環境センサーは専用のハブで増設することができ、1ポート当たり、最大16基のセンサーを収容することが可能だ。
PX2-1000シリーズのラインアップは、入力電圧、最大供給電流、出力コンセントの形状などが異なる4機種となっている。価格はオープンだが、市場想定価格は9万4,290円から。