米Hewlett-Packardは5月10日(米国時間)、試験提供中のパブリッククラウドサービス「HP Cloud Services」をパブリックベータとして一般公開することを発表した。HP Cloud Servicesはオープンソースのクラウドインフラ技術「OpenStack」を土台としており、米RackSpaceと並ぶOpenStackベースのパブリッククラウド事例となる。
HP Cloud Servicesはビジネス向け機能を特徴とするパブリッククラウドインフラ。プラットフォームサービスとクラウドソリューションが含まれており、開発者、ISV、企業はこれらを利用して次世代のWebアプリケーションを構築できるという。提供を記念して、プライベートベータ期間中は50%の割引料金を用意する。
HP Cloud Servicesは現在6種類のサービスで構成されているが、ベータ公開されたのは、仮想マシン実装の「HP Cloud Compute」、データストレージの「HP Cloud Object Storage」、HPと米Akamai Technologiesのサーバーネットワークでデータをキャッシュ・配信する「HP Cloud CDN」の3つのサービス。
残りの3つのサービスのうち、Computeインスタンスからのデータを保存する「HP Cloud Block Storage」と「HP Cloud Relational Database for MySQL」の2種類が現在プライベートベータ段階にあり、ユーザー認証の「HP Cloud Identity Service」も提供が予定されている。
HPは4月、Cloud Servicesを含む「Converged Cloud」ポートフォリオを発表していた。今回のパブリックベータ発表に合わせて、40以上の企業が支援を寄せていることが発表されてる。
OpenStackは米AmazonのクラウドサービスへのAPIを提供しておらず、OpenStackを立ち上げたRackSpaceのほか、米Red Hat、Ubuntuの英Canonical、米IBMなどが支持している。OpenStackに参加する米Citrix Systemsは先に、Apache CloudStackプロジェクトを立ち上げ、袂を分かつ形となった。