ネポンとNECは5月9日、ハウスなどを利用する施設園芸農家向けに、農業の生産性向上や農作物の品質改善に貢献する「農業ICTクラウドサービス」を提供開始したと発表した。

同サービスは、園芸ハウス内の警報センサーや環境センサーの情報をリアルタイムでモニタリングし、クラウドでデータ収集を行うことで、遠隔からハウス内の状況を把握することを可能にする。具体的には、農産物の市況や農薬名、散布時期などの情報をクラウド内のサーバで一元管理し、随時、農家に提供する。

両社は1月、農業ICTクラウド事業で協業を開始し、センサネットワークを利用したサービスの共同開発を行ってきたが、その成果として、施設園芸農家向けサービスの提供を開始する。

農業ICTクラウドサービスで用いる環境センサー(左)と環境センサ設置イメージ (右)

同サービスの下、「警報サービス」、「センシングサービス」、「情報配信&コミュニケーションサービス」が提供される。農家のPCやスマートフォンに対し、警報サービスからは温室用温風暖房機の異常警報(暖房機の不着火など)が、センシングサービスからは温室用暖房機の異常や温度に関する警報が通知される。センシングサービスではさらに、温室用温風暖房機や環境センサー(温度、湿度、炭酸ガス、日射のセンサー)の情報を定期的に収集し、PCやスマートフォンの画面上で可視化する。情報配信&コミュニケーションサービスでは、農産物の市況情報や、農薬名、散布時期、散布濃度等の防除暦、天気などを農家へ情報配信する。

農業ICTクラウドサービスの概要

同サービスは2年契約となり、初期費用は15万8,000円から、月額費用は2,980円からとなる(警報、センシング、情報配信&コミュニケーション含)。