NTTデータ先端技術は5月9日、サーバラック全体の消費電力削減を実現した直流給電ソリューション「XECHNO Power」の販売を開始し、8月より提供を開始すると発表した。日本アイ・ビー・エムは、XECHNO Power用にx86サーバ「IBM System x3550 M4」「同 x3650 M4」をNTTデータ先端技術に提供する予定。

XECHNO Powerは、高圧直流給電(HVDC)方式に対応し、ラック内集中電源方式、バスバーによるラック内直流(以下、DC)12V給電といった特徴を持ち、サーバラック全体の消費電力を削減する。

「XECHNO Power」の仕組み

XECHNO Powerに搭載する機器は、通常のAC電源機構の代わりにDC12Vを受電するための機構を搭載する。両社は、IBM System x3550 M3/x3650 M3にこの機構を搭載して動作確認を行った。System xシリーズの最新モデル「IBM System x3550 M4」「同 x3650 M4」においても技術検証も進めている。

XECHNO Powerが採用したラック内集中電源方式は、各機器にAC電源を搭載する従来の方式よりも電力効率が高く、システム全体の消費電力削減の効果が見込まれる。また、HVDC方式は、交流/直流変換ロスを大幅に低減できるため注目を集めているが、XECHNO Powerは集中電源部の機器の交換のみで、通常の交流給電(UPS方式)にもHVDC方式にも対応可能となっている。

既存の電力設備を使って交流200Vなどを入力電力に使用する場合でも、集中電源効果で電力効率を10%できるが、HVDCを導入すれば30%以上の電力効率の向上が得られ、総合電力効率は90%以上(損失電力10%以下)を達成するという。

「XECHNO Power」の省エネ性