Integrated Device Technology(IDT)は5月9日(米国時間)、高性能通信機器や民生用電子機器、クラウドコンピューティング機器、産業機器などのアプリケーション向けにピエゾ圧電MEMS(pMEMS)製品「CrystalFree」としてLDVS/LVPECL発振器「4Mシリーズ」を発表した。
同シリーズは、工場出荷時に必要とする出力周波数に設定することにより、微調整が必要な水晶発振器(XO)を置き換えることが可能な発振器。公称共振周波数は水晶振動子よりも高いため、パフォーマンスを犠牲にせずに低価格でより高い周波数を実現することが可能となる。
周波数精度は工業用温度範囲(-40~+85℃)において±50ppmで、50MHz~625MHzの範囲でLVDSおよびLVPECLをサポートしており、1ps未満の位相ジッタでの動作が可能だという(オフセット周波数:12kHz~20MHz)。
同シリーズに関して同社では、高性能XOと同等の性能を実現しているほか、MEMSプロセスを用いたことで水晶素子以上に衝撃や振動に対して強い耐性を実現しており、実際にゴルフボールの中に埋め込んでドライバーで打っても問題なく使用できることも確認されたと説明するほか、水晶素子で生じるActivity Dipが生じないという利点があるとする。
なお、同シリーズはすでに5mm×3.2mmと7mm×5mmの2種類のプラスチックパッケージでサンプル出荷が開始されており、いずれも6ピンのセラミックパッケージで提供されるXOとの互換性を確保している。価格としては1000個受注時で、同等のXOを購入する場合に対し半額程度に抑えることが可能だという。また、2012年第3四半期の量産出荷を計画している。