Texas Instruments(TI)は5月8日、スイッチング電源向けにコンパクトで高速動作のシングルチャネル・ゲート・ドライバ「UCC27511/27517」を発表した。

同製品は、MOSFETやIGBTなどの電力制御デバイス、GaNをはじめとした広いバンドギャップを持つ電力用半導体デバイスのスイッチング損失を最小にする、高い電流ドライブ能力を備えた、ローサイド(低圧側)用のシングルチャネル・ゲート・ドライバとなっている。バイポーラ接合トランジスタを使用したディスクリート構成のゲート駆動回路の代替製品として、オフラインの絶縁型電源や通信モジュール、空調システム、UPSおよびポータブル電動工具などで、電力効率、信頼性および電力密度の大幅な向上に寄与する。

「UCC27511」はソース電流が最大4A、シンク電流駆動能力が8A、「UCC27517」は同4A/4Aをサポート、高い電流駆動能力を有する。スイッチング速度は、両製品とも伝搬遅延時間が13ns(代表値)、立ち上がりおよび立ち下がり時間が9ns/7ns(代表値)と非常に高速でパルス歪みが低い。

スイッチング損失は、プルダウン抵抗を「UCC27511」で0.375Ω、「UCC27517」、0.5Ωで提供することから、電力スイッチ・デバイスがミラー効果によるゲート・ソース電圧のミラープラトーを遷移する際のスイッチング損失を最小化するとともに、ターンオン時のミラー効果への耐久性を向上させている。動作電圧範囲は4.8V~18V、動作温度範囲は-40℃~+140℃。最大入力電圧はVDDと独立しており、バイアス電源回路を簡素化できる。

なお、パッケージは「UCC27511」が6ピンSOT-23、「UCC27517」が5ピンSOT-23。価格は1,000個受注時で「UCC27511」が0.60ドル、「UCC27517」が0.49ドル。同ファミリとしては、2012年第2四半期に3mm角の6ピンWSONおよび異なるCMOS入力スレッショルド電圧のシングルチャネル・ゲート・ドライバ品が追加発表される予定。

シングルチャネル・ゲート・ドライバ「UCC27511/27517」