アイ・エル・シー(ILC)とダイナコムウェア、ディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)の3社は5月7日、組み込み向けUIソリューションを共同開発したと発表した。

共同開発したのは、DMPのグラフィックスIPコア「SMAPH」シリーズ、ILCのGUI統合開発環境「GENWARE4」、ダイナコムウェアの組み込み用スケーラブルフォント「DigiTypeフォント」を利用した組み込み機器向けベクターグラフィックスUIソリューション。

DMPのグラフィックスIPコア「SMAPH-F」および「SMAPH-H/H2」は、ベクターグラフィックス業界標準APIのOpenVG 1.1に対応しており、高品質なUIアプリケーションを、低消費電力かつ高い描画性能を実現するグラフィックスIPコアとなっている。また、OpenVG 1.1に加えて、SMAPH-HはOpenGL ES 1.1に、SMAPH-H2はOpenGL ES 1.1/2.0に対応する。

ILCの「GENWARE4」は、画面上に様々な機能を配置していくだけで簡単かつ短時間でGUIを作成することができるGUI開発ツールで、OpenVG 1.1に対応。表現力のあるGUIアプリケーションを省メモリかつ高速に開発することができる。組み込みGUI開発環境「GENWARE3」の次世代シリーズであり、ベクターグラフィックス対応やタッチUI対応など最新のGUI開発向けなど大幅に機能が向上している。

ダイナコムウェアの「DigiTypeフォント」は、ベクターグラフィックス業界標準APIのOpenVG 1.1に対応し、組み込み機器用に描画品質と描画速度を最適化されたスケーラブルフォント・ソリューション。最大41言語に対応し、さらに軽量化されたフォントデータによって組み込み機器の多言語対応をサポートする。

今回開発したUIソリューションのデモは、「GENWARE4」で作成したGUIアプリケーションを「SMAPH」シリーズ上で動作させ、画面の高速拡大・縮小やスケーラブルフォントの高速スクロールなどのUI表現を実現。従来のビットマップ方式と比較して、異なる解像度の画面出力やイメージ・文字の拡大・縮小をより簡単に開発できるようになったという。スケーラブルフォントを使用する「DigiTypeフォント」は、データサイズが軽量化されており、同ソリューションにて活用することでGUIデザインに必要なデータ量を大幅削減することができる。