米Yahoo! CEO Scott Thompson氏

米Yahoo!のCEOを務めるScott Thompson氏の略歴に事実が異なる点があることが、同社株主であり投資会社の米Third Pointにより明らかになった。Yahoo!側も「不注意によるミス」とこれを認めているが、以前から取締役指名などで対立していた投資会社に、改革の旗振り役であるThompson氏の汚点を突かれた格好となる。

Third Pointは5月3日付けでYahoo!取締役会に宛てた公開書簡において、Yahoo!が4月27日に米証券取引委員会委員会(SEC)に提出した書類の中にThompson氏の略歴に誤記があると指摘した。

それによると、書類中で同氏の学歴は、ストーンヒル大学にて「会計学とコンピュータサイエンスの学位を取得」とされているが、Thompson氏が取得したのは会計学のみだという。Third Pointはストーンヒル大学より、Thompson氏は会計学の学位のみで卒業したこと、ストーンヒル大学がコンピュータサイエンスで学位を授与するようになったのは1983年からであることなどの情報を得たとし、これはThompson氏が卒業した4年後に当たる、としている。

Yahoo!はこれに対し、英Financial Timesらに対し「不注意によるミス」と説明した。取締役会が今回の問題についてレビューを行い、株主に適切な開示すると付け加えている。

Third PointはYahoo!の株式5.8%を保有しており、外部では最大株主となる。同社のCEOを務めるのはDaniel Loeb氏で、4日には、学歴詐称についての回答が株主を侮辱するものだとして、Thompson氏と取締役会長Patti Hart氏の辞任を求める書簡を送った。