ヴイエムウェアは5月7日、エンドユーザーコンピューティングを実現する新製品として、仮想デスクトップ製品「VMware View 5.1」、アプリケーション管理製品「VMware Horizon Application Manager」、ファイル共有サービス「VMware Project Octopus」を発表した。
代表取締役社長の三木泰雄氏は、「当社の調査により、日本企業のエンドユーザーコンピューティングの現状として、セキュリティの配慮から、端末の持ち込みや持ち出しに厳しい制限がかかっており、他国に比べてリモートワーカーの割合が低いことがわかった。実際には、コンシューマー向けの便利なクラウドサービスをビジネスでも使いたいなど、ユーザーは社内環境に不満を抱いている。従来の方法では、セキュリティを含め、現在のエンドユーザーコンピューティングにおける課題を解決できないが、当社としては、技術的にこれらを解決していきたいと考えている」と語った。
さらに、同氏は「これまでは、クライアントとホストが1対1で接続していたが、今後は、クライアントとアプリケーションがN対Nで接続する環境に移行し、これを管理していく必要がある」と説明した。
このように、企業として確保すべき管理性とセキュリティを維持しながら、エンドユーザーがどのデバイスからでも、どこからでも、必要なアプリケーションやデータにアクセス可能な環境が利用できる状況を、同社は「ポストPC時代」と定義している。
VMware View 5.1の新機能には、「VMware View Storage Accelerator」「Persona Management」「VMware vCenter Operations for VMware View」などがある。VMware View Storage Acceleratorは、一般的なブロック読み取りのインメモリキャッシュで、ピーク時のIOPSの負荷をストレージ上で低減するとともに、ストレージに要するコストを削減する。VMware vCenter Operations for VMware Viewは、仮想デスクトップのモニタリングを可能にするが、Viewとは別な製品として出荷される。
Horizon Application Manager 1.5は、ユーザーが任意のデバイスからシングルサインオンによる認証の下、ポータル画面から、Windows アプリケーション、企業で使用するWeb アプリケーション、SaaS アプリケーションを利用することを可能にするパーソナルクラウド ブローカー。
エンドユーザーにアプリケーションサービスへのアクセスは、ID・場所・デバイスなどの状況に応じた権限に基づいて行うことができる。
VMware Project Octopusは、企業向けにセキュリティが確保されたファイル共有サービスで、三木氏はVMware Project Octopusを「企業版Dropbox」と説明した。利用形態は、オンプレミスでの導入とVMwareサービスプロバイダーが提供するクラウドサービスを利用するパターンがある。
ポリシーとプロビジョニングは、VMware Horizon Application Manager により、集中管理される。条件を満たした顧客が利用可能なベータ版が2012年第2四半期に提供される予定だ。