日立超LSIシステムズとリネオソリューションズは5月7日、組み込み向けに高速起動マルチOSソリューションを6月1日より共同で提供を開始すると発表した。
車載情報機器、産業向け制御機器、モバイル端末などの組み込みシステムの性能向上においては、シングルコア・プロセッサでは、動作周波数の物理的限界や高い消費電力による発熱の問題などから対応が難しく、マルチコア・プロセッサに移行しつつある。
今回の高速起動マルチOSソリューションは、マルチコア・プロセッサに対応するもので、日立超LSIのマルチOSソリューション「リアルタイム・オーガナイザ」と、リネオの組み込みLinux高速起動ソリューション「Warp!!」の技術を組み合わせている。
「リアルタイム・ オーガナイザ」は、マルチコア・プロセッサのそれぞれのコア上で、リアルタイムOSのT-Kernelと汎用OSのLinuxとを独立に実行し、異なるOS間の通信・排他制御・デバイス共有を実現している。これにより、リアルタイムOSの持つリアルタイム性能・安定性と、汎用OSの持つネットワークやユーザーインタフェースなどの高度な機能を、1つの組み込みシステムで同時に利用することを実現している。
また、「リアルタイム・ オーガナイザ」を組み込んだシステムでは、T-Kernelが数百ミリ秒程度で起動するためシステムも高速起動できるが、バックグラウンドで起動するLinuxは、一般的に起動に十数秒以上を要する。このため、システム起動後に早くLinuxの機能を利用したい場合、Linuxの起動時間を短縮することが求められる。これに対応できるのが、リネオの「Warp!!」で、Linuxの起動時間を数秒に短縮することを実現しているという。