イラストレーターの天野喜孝は、4月28~29日に開催された「ニコニコ超会議」にて、ライブペインティングを行った。

ブースの壁面には大きな紙が貼り付けられ、そこに天野が筆と絵の具を用いて作品を描いた。左上から右下にかけて、一発描きで作業が進められていく様子を追っている

当日イベントが行われたのは、ドワンゴが運営するイラストや漫画などの静止画を扱うサイト「ニコニコ静画」のブース。これまで「ファイナルファンタジー」シリーズなどの原画を手がけてきた天野独特のタッチで、イベント公式キャラクター「ニコニコ超会金」が“ラスボス風”に描かれた。

過去に、ニコニコ生放送のある番組内で「2ちゃんねる」発のアスキーアート「やる夫」を天野独自のタッチで描いて話題になったこともあるが、その時とは比べものにならないスケールの作品となった。

ペーパークラフトで制作されたイベント公式キャラ「ニコニコ超会金」(左)と天野の描いた「ニコニコ超会金」

作業中に観客からの質問を受け付ける場面があり、「これまで描いてきたキャラクターの中で最も好きなのは誰ですか?」という質問に、「色々な方にその質問をいただくのですが、実はこれといったキャラクターはおりません。強いて言えば、「今描いている」キャラクターこそが一番好きだ、と言えるかもしれません」と答えていた。

完成した作品

絵が完成してすぐに、天野の呼びかけによって観客の書き込みが始まった。天野が「余白だけでなく、作品の上にも描き込んで」と呼びかけたことで、作品自体が大きな寄せ書きと化した。

天野自ら率先して、作品にフキダシをつけていた

作品を見守っていた観客たちが描き込みを行う

天野の作品は、「ニコニコ静画」ブースでTシャツ制作を行っていた大英産業により、絵の完成からわずか数十分でTシャツが作られた。描き込みが行われる前の段階で撮った写真を元に製作した物で、イベント会期中はこのTシャツの販売も行われていた。

写真を利用して作り上げたTシャツ

「ニコニコ静画」ブースでは、天野の作品のほか多くの“絵師”のイラストをその場でTシャツにしていた

作品への寄せ書きは会期中通して行われ、イベント最終日の終盤には描き込みだらけになっていた。天野喜孝という作家と観客が、フラットな立場で交流した証が残ったと言えそうだ。

2日目終盤の作品

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