日立製作所は5月9日から2013年3月31日まで、クラウドを活用した「環境情報見える化」の実証実験を、神奈川県秦野市内の「日立ITエコ実験村」にて実施すると発表した。この取り組みは、同社の地球環境貢献プラン「GeoAction100」の一環で、ITを活用し持続可能な社会の構築を目指すというもの。
「日立ITエコ実験村」は、休耕田、竹林・山林からな約7,000平方メートルの区域で、2011年4月に開設された。ここでは、IT機器を用いながら環境情報の収集や生態系の観察を行うほか、生態系の「見える化」に関わる実験を行っている。具体的には、日立センサネットシステム「AirSenseII」を用い温度や湿度などの環境情報を取得するほか、スマートフォンで位置情報付きの生物観測結果を入力できる「GeoPDF」、そして近赤外線センサーを活用し、動物の定期観測を行っている。
今回の実証実験では、環境情報データを共有し、農作物や生物に関する情報などを踏まえ、「日立ITエコ実験村」における生態系が人の介入によりどのように変化するかを検証する。検証においては、「AirSenseII」を、ユビキタス機器向けリモート制御環境「SuperJ Engine Framework」(日立ソリューションズ)を活用して制御。続いて、取得した温度や湿度、地温、水温などの環境情報データを、「SecureOnline統制IT基盤提供サービス」(同上)のクラウドサーバへ自動的に格納し、Web上で表示する。リアルタイムで得られる環境情報データは、同実験村の関係者や大学の研究者などへ提供する。
さらに実証実験では、これらのシステムが、生態系保全や環境・農業分野へ適用可能であることを実証する。