富士通研究所は4月26日、既存の携帯電話やスマートフォンなどのカメラ付き端末で3D映像を撮影できる技術を開発したと発表した。

開発した技術は、小型で安価なアタッチメントを既存の携帯電話やスマートフォンのカメラの前に取り付け、撮影した映像をクラウドで3D映像へ変換処理することで3D映像の撮影を可能にする技術。

開発したアタッチメントでは、左目用と右目用の映像に示す歪みが発生するが、この歪みをカメラ内の撮像素子に取り込んだ後で補正処理を行うことにより、アタッチメントを57×14×14mmのサイズに小型化した。また平面ミラー4枚で構成することで、市販品と比べてコストを約1/10に削減した。

(左)アタッチメント(右)撮影映像のイメージ図

また、アタッチメントのミラーで生じる歪みを補正する処理、および見やすい3D映像に変換する処理といった負荷の高い処理をクラウドで行うことで、携帯電話やスマートフォンに専用のソフトウェアやプロセッサの導入が不要となった。

歪みの補正処理

同技術により、ユーザーは簡単に3D撮影ができるようになるため、ブログやWebページ、写真や動画の共有サイトでの3Dコンテンツの普及が期待される。

開発した3D撮影技術のシステム図

今後は、撮って楽しむ用途以外に、距離の測定や、寸法や形状の測量など、3D映像の利活用を想定した技術開発を検討する。