日本ガイシは4月25日、LEDの発光効率を2倍に高められるGaNウェハを開発したと発表した。

開発品は、独自の単結晶育成技術である液相成長法を用いており、ウェハ全面にわたり低欠陥密度と無色透明の両立を実現した。さらに、同ウェハ上にLED素子を作製し、発光性能試験を実施した結果、内部量子効率を約90%(注入電流200mA時)まで高めることに成功したという。これにより、市販されるLED光源の2倍の発光効率(200lm/W)を実現でき、消費電力の50%削減や発熱の抑制による長寿命化、照明器具の小型化が可能となる。

日本ガイシでは、今年度よりウェハプロジェクトを設立し、ウェハ関連製品の早期事業化を目指していく。今後、液相成長法による直径4インチのGaNウェハを今年中にサンプル出荷を開始するとともに、耐電圧が高く、高周波動作が可能といった特性を生かして、ハイブリッド車や電気自動車用パワーデバイス、無線通信基地局用パワーアンプ向けウェハ市場を狙い、さらなる欠陥密度の低減と6インチの大口径化に向けて開発を加速していくとしている。

試作したLED素子(基板サイズ:1cm角、素子サイズ:0.3mm角、注入電流:約200mA、中心波長:450nm)

GaNウェハ(左:2インチ、右:4インチ)