既報の通り4月25日(米国時間24日)、Googleは5GBまで無料で利用できるオンラインストレージサービス「Google Drive」を公開した。サービスの提供開始にあわせて、同社はメディア向けの説明会を開催。Google Drive プロダクトマネージャのスコット・ジョンストン氏がビデオ会議を通じてサービスの特徴や背景を語った。

Google Drive プロダクトマネージャのスコット・ジョンストン氏

Google Driveは、Mac・PC・Android端末などで利用可能なサービスで、iPhone / iPadの対応は現在開発中となっており、近いうちに利用できる予定。なお、サービスの利用対象者は、順次公開範囲を広げていくとしており、今後数週間ですべてのユーザーが利用できるようになるという。

同氏は、まずGoogle Driveが、同社のこれまでの取り組みの延長にあるサービスと説明。Gmailの公開、そしてGoogle ドキュメントの提供などによって、単にクラウドを保存場所ではなく、共同作業の場所として、どこからでもブラウザを使ってアクセスできるようなサービスとして展開してきたと述べ、Google Driveも「ユーザーがクラウドで成功できるようにすること」がサービスの根底にあるとした。

他のオンラインストレージサービスとの優位性については、同氏は3点を挙げる。まず、クラウド上でドキュメントを作成したり共同作業できる機能を提供していること。そして、同社サービスの根幹を成す検索機能を用い、目的のデータを迅速に容易に見つけられるという「検索」の強み。さらにユーザーがどこにいてもどんなデバイスを使用していてもアクセス可能な、コンテンツ一元化の中心となるようなサービスであることだ。

また、SDKの公開について、サードパーティがアドオンアプリを開発できる環境にあることについても触れた。サービス公開時点では、20社のサードパーティがアプリを提供しており、たとえばGoogle Drive上でワイヤフレームを作成できるツール「Balsamiq」や、Google Dirve上のデータをそのままFAX送信できる「HelloFax」などを紹介した。これらのアプリは、「Chrome ウェブストア」で公開されている。

ワイヤフレームを作成ツール「Balsamiq」

Chrome ウェブストアにはほかにもアプリが公開されている

このほか、残念ながらまだ日本語の対応はされていないが、アップロードされた画像内の文字情報を読み取る機能や、画像イメージ自体からその内容を読み取り情報を付加する機能なども紹介した。同氏は、画像イメージからの読み取り例として、エベレストの写真でデモを行ったが「エベレスト」と検索した場合(実際には英単語で検索)と、「エベレスト ネパール」で結果をしぼり込む例を紹介。このような画像から情報を読み取る技術も、同社がこれまでに培ってきたものだ。

エベレストで検索した例

タイプライターの文書画像からテキスト情報を読み取ることもできる

エンタープライズ向けの「Google Apps」についても、Google Driveの機能が利用可能となっている。「管理ツールを提供しており、企業の管理者が、ストレージを利用してユーザーにサービスを割り当てられるようになっている」という。Google Appsでの提供は、24時間365日のサポートや99.9%の高可用性も実現しているとのことだ。

同氏は最後に、「これまでのインフラ技術から学んだものを活用することで、競争力のある価格で提供可能となっている。なぜならスケールメリットがあるからだ」と述べた。