日本HPは4月24日、クラウド時代のネットワークビジョンとして、「Virtual Application Networks」を発表した。次世代ネットワーク技術「OpenFlow」への取り組みとHP FlexNetworkアーキテクチャーに基づき、導入時間の大幅な短縮と、クラウド環境での柔軟性の高い仮想ネットワークの運用・管理を実現する。
同社では、サーバおよびストレージの統合・仮想化の進展にともなうネットワークの複雑化や管理工数の増大に対応するため、いち早くOpenFlowに取り組んでおり、2007年からスタンフォード大学との共同研究を行っている。また、OpenFlow標準化を目的として、2011年に設立された「Open Networking Foundation」にも設立メンバーとして参加し、標準化を進めてきた。
こうした中、次世代ネットワークとなる仮想ネットワークの柔軟な運用・管理を容易に実現するネットワークビジョンとして、新たに「Virtual Application Networks」が発表した。
「Virtual Application Networks」は、ネットワーク運用管理ツール「HP Intelligent Management Center(IMC)」のアドオンモジュールで、アプリケーションに合わせたテンプレートを適用することにより、アプリケーション導入にかかる時間の削減を可能にする。また、実証済みのHPネットワーク仮想化テクノロジー(IRF)を活用することにより、ネットワーク管理がシンプルになり、導入の際に関わるネットワークの構築時間を短縮できる。
「Virtual Application Networks」によって提供されるモジュール製品「IMC VAN Manager Module」、およびAPI「IMC Extended APIs」の特長は以下の通り。
IMC VAN Manager Module
ネットワーク運用管理ツール「IMC」の管理画面で、ネットワーク製品の一元管理を可能にする。従来のリソース管理に加え、CLIやスクリプトを使用せず、テンプレートによりポリシー(帯域幅、プライオリティ、アクセス制御、セキュリティなど)の設定やネットワークリソースのプール化などを可能とし、柔軟な仮想ネットワーク運用・管理に対応する。
IMC Extended APIs
ネットワーク製品の広範なAPIを提供。これにより、さまざまなネットワークコンポーネントを簡単にオーケストレーションできる。
HP IMCは、HP Business Service Management(BSM)Softwareポートフォリオの中のHP Network Management Center(NMC) Solutionとも統合されており、ネットワーク、サーバー、アプリケーション、および包括的なパフォーマンスと可用性の管理をモニタリングするビジネスサービスを横断的に結び付けることが可能になる。
日本での販売は現時点では未定だが、米国では「IMC VAN Manager Module」の価格を9,995米ドルとして、7月に販売を開始する予定だ。