東芝は4月24日、同社のタイ現地法人でディスクリートの後工程(組み立て工程)を担当している東芝セミコンダクタ・タイ(TST)の工場を、現在のパトゥンタニ県バンカディ工業団地からプラチンブリ県304工業団地に移転させることを発表した。

同工場では現在、主に小信号デバイスやフォトカプラを扱っており、携帯電話やスマートフォン、タブレットの伸長などによる需要増大に応えるために、既存工場よりも高効率で生産性の高い工場を新たに建設することを決定したという。

新たな工場建設地となる304工業団地は、タイの首都バンコクから北東に約140km、海抜15~20mの場所に位置しており、近隣に大きな河川もなく、これまでも洪水被害を受けなかった地域だ。同社では、同地を選定した理由として「BCP(事業継続計画)の観点から、建設地として決定した」と説明している。

建設予定地の敷地面積は現在の工場の約1.4倍で、建物は2階建て、2012年7月に着工し、2013年春の竣工を予定している。建物建設にかかる投資費用としては、2011年10月のタイで発生した洪水被害による保険を適用する計画だとしている。

なお、建設後の設備投資額や投資内容や生産能力、生産計画などについては、市場動向を踏まえ、今後順次決定していく方針としている。

新工場の概要は以下のとおり。

  • 所在地:タイ プラチンブリ県
  • 敷地面積:約13万5,000m2
  • 延床面積:約4万m2
  • 着工:2012年7月(予定)
  • 建物完成:2013年春(予定)
  • 量産開始:2013年第2四半期(4~6月)(予定)