富士通は、同社が今年の1月より提供を開始したビッグデータ活用のクラウドサービス「データ活用基盤サービス」を、オンプレミス用ソフトウェアとして製品化し、5月末よりグローバルで順次提供すると発表した。
ビッグデータ活用の標準技術である並列分散処理や複合イベント処理を行う製品群を「Big Data Platform」、利用シーンに応じたビッグデータ活用の製品群を「Big Data Middleware」とし、製品を提供していく。
今回新たに発表したのは、複合イベント処理製品「Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1」、エクストリームトランザクション製品「Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1」、分析予測を行う「Interstage Business Analytics Modeling Server」。
「Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1」は、600万円(税別)からで8月末より発売、「Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1」は120万円(税別)からで5月末より発売される。また、「Interstage Business Analytics Modeling Server」は2012年度上期に発売する予定だ。そして、これらとすでに発売済みの並列分散処理ミドルウェア「Interstage Big Data Parallel Processing Server」や、データベース製品「Symfoware Server V11」をあわせて販売する。
「Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1」は、各種スマートデバイスやセンサーなどから収集されるストリーミングデータを同社独自の高速フィルタ技術により、大量のイベントを業務システムのマスターデータと自動的に照合して、必要なイベントを絞り込む、複合イベント処理ソフトウェア。高速フィルタに定義する絞り込みのルールを、業務で使う名称、用語を使って定義できる。
「Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1」は、インメモリ分散キャッシュ技術による高速処理と、最大3重化の冗長構成でデータを保障する高信頼性を両立した、エクストリームトランザクション処理ソフトウェア。
そして、「Interstage Business Analytics Modeling Server」は、機械翻訳技術で日本語を解釈し、さまざまな事象を時系列に関連づけることで、分析予測を支援するソフトウェア。並列分散処理に対応した30種以上のデータ分析処理部品により、分析予測を高速に行うことができる。
富士通 クラウドプラットフォーム開発本部長 執行役員 今田和雄氏は、同社のビッグデータ製品の特徴として、「より使いやすいソフトウェアを追求」、「富士通ならではの技術を適用」、「パートナー製品/OSSを組み合わせたエコシステム」という3点を挙げた。
「より使いやすいソフトウェアを追求」では、スマートセットアップ機能を導入し、並立分散処理サーバのインストールでは、Apatch Hadoopに比べインストール時間を1/10に短縮しているほか、運用管理ミドルウェアをあらかじめインストールしており、自動監視が可能な点を挙げ、「富士通ならではの技術」では、並立処理ではPRIMECLUSTER分散ファイルシステム、複合イベント処理ではShunsaku高速フィルタ技術を搭載し、他社の同等製品に比べ、4-5倍処理性能が高く、エクストリームトランザクション処理にPrimeSoft技術を搭載し、同社製品に比べアクセス性能が10倍高い点を挙げた。
そして、「パートナー製品/OSSを組み合わせたエコシステム」では、オープンなインタフェースを備え、他社のビッグデータ製品と連携可能である点を挙げた。
なお、同社では今年度の下期には、ビッグデータに最適な垂直統合したアプライアンス製品をリリースする予定だという。