トレンド総研はこのほど、「平成生まれ」の新社会人と「平成元年入社」の社会人の「仕事」に対する意識の違いを調べるため、両者の比較調査を実施しその結果を発表した。
同調査の対象者は、平成元年入社の有職者(会社員)男女250名と、平成元年度生まれで平成24年4月入社の有職者(会社員)男女250名。
全対象者に、「新入社員の時に仕事において求めていたこと」を複数回答で聞いたところ、「平成元年入社」の回答は、「やりがいを感じられること」(62%)、「高い給与がもらえること」(47%)、「仕事を通じて知識やスキルが身につけられること」(28%)、「人間的に成長ができること」(25%)などが上位にあがった。
一方、「平成生まれ」の新社会人に同じ質問をしたところ、「平成元年入社」の第1位の回答である「やりがいを感じられること」(58%)に続き、「会社の人間関係が良好であること」が44%と半数近くの支持を得た。新社会人と同じ回答をした「平成元年入社」の社会人はわずか20%であり、「平成生まれ」の新社会人たちは、より「人間関係」を重視する傾向にあることがわかった。
続いて、「平成元年入社」の社会人に「入社当時に出世がしたいと思っていたか?」と聞いたところ、61%が「出世したいと思っていた」と回答。一方で、「平成生まれ」の新社会人に、同じ質問をすると、「出世したいと思う」と答えた人は40%にとどまり、「役職は特に気にしない」が60%と半数を超えた。
さらに、「出世がしたい」と答えたに「どこまで出世したいか」を聞いたところ、「平成元年入社」においては、「役員・幹部まで」(39%)、「部長まで」(38%)、「社長まで」(13%)という回答が上位にあがったのに対し、「平成生まれ」については、「課長・マネージャーまで」(30%)という回答が最も多く、出世への意欲に差が見られる結果となった。
同調査では、「給与」への意識についても調査が行われた。「平成元年入社」の社会人に、「新入社員の時にどれくらいの年収を稼ぎたいと思っていか?」と聞いたところ、最も多かった回答は「1,000万円」で41%。一方、「平成生まれ」の新社会人は「~400万円」と答えた人が最も多く、46%に上った。
今回アンケートに回答した「平成元年入社」の社会人に、現在の年収を聞いてみると、「700万円」(18%)、「600万円」(17%)という回答が多く上がった。
さらに「新卒で入社した会社での勤続意向」を聞いたところ、「平成元年入社」の社会人は68%と約7割が「定年まで働きたいと思っていた」と回答し、実際の勤続状況も46%と約半数は、現在も「新卒で入社した会社で働いている」と答えている。
一方、「平成生まれ」については、「定年まで働きたいと思っている」と答えた人は44%と半数未満。そこで「定年まで働きたいとは思っていない」と回答した人に、「入社して何年が経過したら、新卒で入社した会社を辞めたいと思っているか?」と聞いたところ、「4~6年以内」(29%)、「2~3年以内」(25%)、「1年以内」(6%)という回答が上位に挙がった。