イーソルは4月18日、リアルタイムOS「μT-Kernel」をARM Cortex-M4コアを搭載したTexas Instruments(TI)のMCU「Stellaris」に移植して動作させるためのパッチを無償提供すると発表した。
「μT-Kernel」は、T-Engineフォーラムが仕様とリファレンスコードの開発を行ったオープンソースのリアルタイムOSで、MMU(Memory Management Unit)を持たないCPU/MCUを利用した小規模な組み込みシステムでの使用を想定したもの。このため、機能を絞り込み、省資源化と優れたリアルタイム性を実現している。
TIのARM Cortex-M4コア搭載のMCU「Stellaris」は、モータ制御、産業用機器、医療用機器、家電製品など、制御機能やセンサ機能向けに出荷されている。今回、「Stellaris」ベースのシステムに「μT-Kernel」を利用することで、開発効率やシステムの信頼性の向上だけでなく、ITRON/T-Kernel資産を再利用してコストを削減しながら、優れたリアルタイム性および省メモリを実現する。「Stellaris」への移植はすでに完了しているため、MCU向けソフトウェア開発者はすぐに試作プログラムなどの評価を開始することができる。同社では「μT-Kernel」に加え、サポートやデバイスドライバの開発、カスタマイズなどのサービスも展開する。
μT-Kernelは、EclipseをベースとするTI純正の組み込みプロセッサ向け統合開発環境 「Code Composer Studio」に対応する。これにより、従来からのTI製品ユーザーは、これまでの開発環境で「Stellaris」を使ったシステムを効率的に開発できる。「μT-Kernel」の 「Stellaris」向けパッチは、イーソルのWebサイト内にあるダウンロードサービスを通じて取得できる。