文部科学省は18日、ブリヂストンサイクル社(埼玉県上尾市)製の自転車「ジョブノ」のステンレス製かごから、放射性物質のコバルト60が検出されたと、発表した。かごは中国製で、東京電力福島第一原発事故に由来するものではないという。同社は、昨年8月から今年2月までに製造されて同じかごを装着している自転車9405台の無償交換を始めた。

同社によると、発端は自転車購入者から放射線が検出されたとの連絡を受けて、在庫自転車1145台を調査した。そのうち86台のかごから放射線が検出された。線量はかごから1センチメートルの距離で毎時7.5-10.6マイクロシーベルト。文科省によると、このかごが付いた自転車を1日1時間使用した場合でも年間0.059ミリシーベルト程度で、放射線障害のおそれはないという。

同社がさらに専門業者に依頼し放射性物質の核種を分析したところコバルト60と分かり、1個のかごから131.4キロベクレルの放射能の量が測定された。ステンレス製のかごの最上部枠の線材(直径5ミリメートル)に放射性物質が混在している状態だという。

無償交換の対象となる車種番号や製造ロットを同社ホームページで公開しているほか、同社コールセンター=フリーダイヤル〈0120-72-1911〉(受付時間:9:00~17:00、月-金)=でも問い合わせに応じている。

また今回の事態を受けて、経済産業省も一般社団法人・自転車協会を通じ、同じ中国企業からの製品を使用している他の自転車業者の有無などについて調査している。