英ARMは、プロセッサ・オプティマイゼーション・パック(POP)製品群の拡張として、TSMCの40nm/28nmプロセス・テクノロジに対応したARM Cortexプロセッサ製品をターゲットとした製品を追加すると発表した。これにより、Cortex-A5、Cortex-A7、Cortex-A9、Cortex-A15プロセッサ・コアをターゲットとした、9種類以上のPOPが新たに提供されるようになるという。
提供されるのは、TSMCの28nm HPM(high performance for mobile)および28nm HP(high performance)プロセス・バリアントに対応するCortex-A9コア向けPOPのほか、Cortex-A7、Cortex-A15プロセッサに対応するPOPであり、ARMではTSMC 28nm HPM対応Cortex-A15 POPのリード・ライセンシは、数カ月以内に初のチップのテープアウトを目指しているとしている。
TSMC 40nm LP(low power)については、新しいCortex-A7対応POPが、既存のCortex-A5、Cortex-A9対応POP製品群に加わることとなるほか、TSMCとの協力により、TSMC 40nm LPの高速オプションがPOP実装の利点を最大限に生かせるよう、新しいPOPのバリアントを提供する予定だとしている。40nm LPプロセスはCortex-A5(1.0GHz)とCortex-A9(1.4GHz)をターゲットとしており、すでにスマート・テレビやSTB、モバイル・コンピューティング、スマートフォンなどのアプリケーションでARMパートナー各社が出荷中のプロダクション・チップに搭載されている。
これらのPOPは、最適なARMコア実装に必要な3つの要素で構成される。1つ目は、特定のARMコアとプロセス・テクノロジー専用に最適化されたARM ArtisanフィジカルIPロジック・ライブラリとメモリ・インスタンスで、フィジカルIPは、ARMプロセッサ・エンジニアと緊密に協力しつつ、反復作業で最適な結果を見つけることによって開発されてきた。2つ目は、ARMがコア実装で達成した正確な条件と結果を記録する総合的なベンチマーキング・レポートで、3つ目は、結果を出すために使用したメソドロジを詳説するPOP実装ガイドである。ARMではこれらを活用することで、カスタマは短時間、低リスクでARMと同じ実装に達することができるようになると説明する。