キヤノンMJグループのエス・エス・ジェイ(以下、SSJ)とキヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)は、ERP製品「SuperStream-NX」シリーズに新たに固定資産管理を追加し、5月31日より提供すると発表した。価格は400万円(税別、統合会計購入の場合)から。
また、5月1日付けでキヤノンITSにあったSuperStreamの開発部隊をSSJに移管し、SSJの社名を「スーパーストリーム株式会社」に変更することもあわせて発表した。
SuperStreamは、年商500億円未満の中堅企業を主なターゲットにしたERP製品で、2012年3月末時点で累計6,640社への導入実績がある。このうち上場企業は651社で、SSJ 代表取締役社長 谷本善男氏も「中堅企業だけでなく、上場企業にもしっかりアプローチできている」と胸を張る。
また同氏は、ERPは今後は500億未満の中堅企業の伸びが期待できるとし、その理由として、中堅企業においても、製造業を中心に海外進出が進むほか、企業のグループ化が強まるという予測を挙げた。
谷本氏は、SSJが目指すキーワードとして、「グローバル」、「SaaS(クラウド)」、「IFRS(国際財務報告基準)」、「グループ経営」を挙げ、今後は独自の価値提供によりオンリーワンの存在を目指すという。
同社では、2013年3月までに統合会計、人事給与、グループ経営管理のSuperStream-NXシリーズすべての製品で新バージョンをリリースする予定で、2015年までに累計導入社数1万社を目指す。
開発部隊の統合は、導入1万社を目指すための施策の一環で、谷本氏は製販一体化のメリットとして、顧客ニーズの製品への迅速な反映と、パートナーとの協業による個別戦略・提案モデルの提供を挙げる。具体的には、パートナーが販売する他社製品との連携や統合も視野に入れていくという。
新たに提供する固定資産管理は、固定資産とリース資産を管理するための製品で、IFRS対応が大きな特徴。
SSJ マーケティング部 部長 山田誠氏は、「IFRS対応は最近関心が薄れつつあるが、企業が将来必ずやらなければならない検討項目になっている。IFRS対応の半分は固定資産に関するものだ」と、IFRS対応においては固定資産管理が重要になるとの認識を示した。
また同氏は、「SuperStream-NX 固定資産管理」の優位性について、「他社の固定資産管理の機能のほとんどを搭載した。SuperStream-NXには、会計機能もあるので統合会計を実現できる。会計システムと固定資産を別々に管理した場合は、台帳の管理が別になるというリスクがある」と述べた。
そして山田氏は、同社の固定資産管理の特徴として、「完全Web対応のため、拠点が複数あっても各拠点で利用できる」、「会計、税務、IFRS、ユーザー任意1・2と最大5種類の台帳を管理できる」、「購入、廃棄、移転などの事象にあわせて、費用(原価償却費、課税標準額、除去債務利息)の予測シミュレーション機能を備えている」という3点を挙げた。