CEVAは4月17日、オーディオ向けに32ビットDSPコア「CEVA-TeakLite-4」を発表した。
オーディオ向けDSPでは、雑音の多い環境でより明瞭な音声を実現するため、複数マイク入力を使った音声処理アルゴリズムをサポートし、高度なプリプロセッシング技術によってバックグラウンドノイズを除去し、音声のクリアに再現している。
また、今後の導入が進むと見られるVoLTE(Voice-over-LTE)およびVoIP(Voice-over-IP)アプリケーション向けのワイドバンド音声コーデックでは、現在のものに比べて、多くのDSP処理能力が要求される。一方、モバイルおよびホームエンタテイメント向けデバイスでのポストプロセッシングにおいては、バーチャルサラウンドやスピーカ補正、低域拡張などといった高音質技術が用いられており、これらの複雑化したオーディオ処理を行うには、従来の16/24ビットDSPでは処理能力を超えてきている。
同製品は、要求仕様が複雑化している音声に対するプリプロセッシングおよびオーディオのポストプロセッシングの他、スマートフォン、タブレットやデジタル家電向けのマルチチャネルオーディオコーデックに完全対応。MP3デコードとDolby Mobile 3+のポストプロセッシング処理では、前世代の「CEVA-TeakLite-III」に比べ、ダイサイズを最大25%縮小し、消費電力を30%削減した。
また、4種類のDSPコアが提供される。「CEVA-TL410/411 DSP」は、音声とオーディオコーデックでシングルおよびデュアルの32×32ビットの乗算器を備える。「CEVA-TL420/421 DSP」は、アプリケーションプロセッサおよびホームオーディオ向けSoCがターゲットで、追加のキャッシュメモリ・サブシステム、AXIシステム・インタフェースを有する。4種類とも最大10段階のパイプラインによって、面積最適化に特化し10万ゲート以下の低電力消費品から、最大1.5GHzのハイエンドSoCまで対応する。「CEVA-TeakLite」ファミリすべてと互換性がある他、電力管理機能のPower Scaling Unit(PSU2.0)を採用、プロセッサ、メモリ、バスなどのシステム・リソース内のクロックと電圧を細かい粒度で動的に自動制御し、消費電力を最低限に抑えることができる。
なお、同製品の出荷開始時期は、2012年第2~第3四半期を予定している