トッパン・フォームズは4月10日、重ねたファイル100冊を一括で読み取り可能なUHF帯ICラベルを開発したと発表した。

UHF帯ICタグ・ラベルは複数枚を同時に読み取れることから、大量の資産・物品管理に幅広く活用されている。しかし、薄い書類やファイルなどの管理では、近接したICタグ・ラベルが相互に干渉することで、一括で読み取れる枚数が低下したり、読み取りに時間がかかるという課題があった。このため、従来製品では読み取る枚数を減らしたり、タグやラベルが重ならないように貼り付けるなどの工夫が必要とされてきた。

同製品では、1~2mm程度の間隔で重なったファイル100冊を5秒程度で一括して読み取ることが可能で、大量の書類を短時間で正確に管理することができる。従来のICラベルと比較して、一括での読み取り枚数は約1.5倍に増え、読み取り時間も短縮している。

また、幅8mm×長さ80mmの細型アンテナを採用し、単体では約5mの長距離通信が可能。ICラベルサイズは最小11mm×85mmから貼り付ける場所や印字仕様に合わせてカスタマイズできる。

さらに、2012年7月に予定されている920MHz帯への周波数移行にも対応する他、RFID対応ラベルプリンタでの印字・発行、熱転写対応用紙を用いたり、ラベルピッチも一般的なRFID対応ラベルプリンタで発行可能な設計になっている。システムでは、同社のICタグを活用した資産管理パッケージ「EasyCheckout for Assets UHF」と連携させることで、短期間かつ低コストで管理システムを構築できる。

価格は10万枚発注時で1個約20円。同社では、UHF帯ICタグ・ラベルブランド「Latica/ラティカ」シリーズの新ラインナップとして販売を開始し、製造業や銀行・金融機関を中心に提案を進め、2012年度にシステムを含めて売上高5億円を目指すとしている。

UHF帯ICタグ・ラベル「Latica/ラティカ」シリーズの新製品

重ねたファイル100冊を約5秒で一括で読み取りできる