ブラザー工業は、新規事業として、同社のプリンタ、複合機、スキャナなどのプリンティング製品と連携するクラウド上のポータルサイト「Brother Online」を6月に米国で開設し、7月以降欧州の主要国などに順次展開すると発表した。

国内においては、試作品の配布を5月より実施し、今年の秋ごろに正式なサービスとして提供する予定。

「Brother Online」では、同社製品とクラウド上のサービスをつないで情報共有や情報伝達の利便性を高め、オフィスでの業務負荷の低減を目指す。そして、その第一弾として、「Brother Online」上で独自のWeb会議「OmniJoin(オムニジョイン)」を提供する。

「Brother Online」の概念図

「OmniJoin」は、事前の予約なくチャット感覚で即座に会議を招集できる会議システム。手元にある紙資料をPC画面上のボタンでスキャナから取り込み、会議やプレゼンテーションで使用する文書などのデータを、同社が提供するストレージサービスに保管し、共有できる。

また、Web会議の内容をクラウド上に録画し、ストレージすることで、出席できなかった場合でも、後から会議の内容を確認することが可能となっている。

機能としては、参加者全員で共有できる「ホワイトボード」、「チャット」、WordやPowerPointなどのOffice文書のほか、Webブラウザやメディアファイルなどの資料を共有できる「資料共有」、パソコン上のモニターを選択し、その表示内容を会議の参加者と共有できる「デスクトップ共有」がある。

同社では利用シーンとして、複数拠点での社内会議、デスクトップ共有を利用した遠隔サポートなどを挙げている。

そして今後、経費管理など他社が開発したクラウド上のWebサービスと連携し、サービスを拡大する一方で、Web会議「OmniJoin」などと連携できる製品の開発を推進していくという。