Texas Instruments(TI)は4月10日、 心電計・脳波計向け1および2チャネル内蔵16/24ビットアナログ・フロントエンド(AFE)「ADS1298」ファミリ5品種を発表した。
同製品群は、医療用およびフィットネスのアプリケーションに必要な主要機能となる低ノイズのプログラム・ゲイン・アンプ(PGA)、テスト信号、右足ドライブ・アンプ、発振回路、電圧リファレンス電源および、電極はずれ検出機能などを内蔵、ディスクリート構成による実装と比較して、設計を簡素化、消費電力の削減、基板実装面積の縮小などが図れる。これらにより、ポータブルの医療用機器、スポーツおよびフィットネス機器などのアプリケーションにおいて、電池動作時間の延長、小型・軽量で良好な装着性が実現できるという。
また、8μVp-p未満の入力換算ノイズ特性を提供しており、AAMI(Association for the Advancement of Medical Instrumentation)およびIEC(International Electrotechnical Commission)が制定する最終機器の性能要件をサポートする。この他、ファミリ内でピン互換性を提供することから、最終製品のファミリ全体で設計を再使用することが可能という。
「ADS1298」ファミリの代表的なアプリケーションとしては、24時間以上の計測と記録を行うホルタ心電計、フィットネス向け心拍モニタが想定される。このうち、2チャネルのホルター心電計に採用すると、同等の回路をディスクリートで構成する場合と比較して、消費電力を94%低減すると同時に、基板実装面積を最高92%縮小、コンポーネント数を92%削減できるという。フィットネス用心拍モニタでは、ディスクリート構成と比較して、消費電力を89%低減すると同時に、基板実装面積を最高52%縮小、コンポーネント数を75%削減できるとした。
なお、パッケージは7mm角のTQFP。価格は1000個受注時で、「ADS1191」(16ビット、1チャネル)が1.50ドル、「ADS1192」(16ビット、2チャネル)が2.50ドル、「ADS1291」(24ビット、1チャネル)が2.00ドル、「ADS1292」(24ビット、2チャネル)が3.50ドル、「ADS1292R」(24ビット、2チャネル、呼吸インピーダンス測定機能内蔵)が4.50ドルとなっている。5品種の評価モジュールは、「ADS1191/1192」が「ADS1192ECG-FE」、「ADS1291/1292」が「ADS1292ECG-FE」、「ADS1292R」が「ADS1292RECG-FE」。